4コマ漫画雑誌「月刊まんがタウン」休刊へ 『新クレヨンしんちゃん』の移籍先はどこになる?
双葉社が刊行する漫画雑誌「月刊まんがタウン」が、2023年12月5日発売の1月号をもって休刊することが決まり、約23年の歴史に幕を下ろす。公式Xがポストした。「月刊まんがタウン」は、増刊の「クレヨンしんちゃん特集号」が2000年11月5日発売の12月号より、誌名変更のうえ、新創刊された雑誌。
【月刊まんがタウン休刊のお知らせ】
「月刊まんがタウン」は次号2023年12月5日発売の
1月号をもって休刊することとなりました。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
↓https://t.co/FjGDqmspDm pic.twitter.com/gE3wcyZECE— 月刊まんがタウン編集部 (@mm_manga_town) November 3, 2023
「月刊まんがタウン」は、植田まさしの『かりあげクン』から、臼井儀人の死後も引き続き連載されている『新クレヨンしんちゃん』など、幅広いジャンルの作品が網羅されて人気があった。『クレヨンしんちゃん』のスピンオフ作品である『野原ひろし 昼メシの流儀』のように、ネット上で何度もバズっている作品も掲載されている。
双葉社の月刊青年コミック誌としては「月刊アクション」「月刊まんがタウン」が主力であり、主に4コマ漫画が多く掲載されているのが「月刊まんがタウン」であった。今回の休刊で、国民的な人気漫画といえる『新クレヨンしんちゃん』の移籍先が気になるところだ。
なお、休刊決定に際し、編集部はX上でコメントを発表。「約23年間、数多くの作家の皆様と読者の皆様に支えられ本日まで辿り着くことができました。これまでの、ご協力と応援を心より御礼申し上げます。次号で各作品の移籍先などの詳細をお知らせいたします。どうぞ最終号まで、笑って、楽しんでいただけると嬉しいです」と、感謝の思いを綴った。
「月刊まんがタウン」の発行部数に関しては、日本雑誌協会のページに詳細がないため不明。近年、少女漫画雑誌が低調になっているが、少年・男性向け漫画雑誌も安泰ではない。主要な少年・男性向け漫画雑誌の2023年4月~6月の平均発行部数は以下のとおりである(いずれも日本雑誌協会発表。今回は青年誌のデータを多めに掲載した)。
週刊少年ジャンプ(集英社) 1,176,667部
週刊少年マガジン(講談社) 370,083部
月刊コロコロコミック(小学館) 333,333部
週刊ヤングジャンプ(集英社) 274,167部
ビッグコミックオリジナル(小学館) 265,500部
ヤングマガジン(講談社) 188,667部
月刊少年マガジン(講談社) 164,333部
ビッグコミック(小学館) 163,167部
週刊少年サンデー(小学館) 160,417部
コミック乱(リイド社) 135,703部
グランドジャンプ(集英社) 102,500部
モーニング(講談社) 90,000部
コミック乱ツインズ(リイド社) 88,150部
ビッグコミックスピリッツ(小学館) 57,833部
ビッグコミックスペリオール(小学館) 42,667部
ヤングアニマル(白泉社) 47,600部
アフタヌーン(講談社) 26,633部
電子書籍は盛り上がっているものの、かつて50万部、100万部を当たり前に刷っていた雑誌がその3分の1以下の部数になっている状況をみると、紙の雑誌は極めて深刻な状況と言っていい。10万部を割っている雑誌はもはや珍しくなく、中には1万部を割りながらも発行が続いている雑誌もあり、出版社の執念も感じる。
「月刊まんがタウン」のような4コマ漫画雑誌はかつて通勤電車の中で読まれる漫画雑誌の代表格だったが、今や電車で雑誌を読む人の姿はほとんど見かけなくなった。時代の変化を感じずにはいられないが、個性的な漫画雑誌が休刊になることで、漫画の多様性が失われて業界が先細りになっていかないかと心配である。双葉社には今後漫画のかたちをどのように創生していくのか、期待していきたい。
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