『サザエさん』磯野波平『クレヨンしんちゃん』野原ひろし『クッキングパパ』荒岩一味……傑作漫画の父親の年収は?

  昭和の時代、父親は「自身雷火事おやじ」と言われるほど、家族にとっては恐ろしい存在とされてきた。ところが現代はフレンドリーな「パパ」も増えたようで、漫画で見ても父親像もだいぶ変わっている。

  漫画では多くの名物父親が登場し、さまざまな形で家族を引っ張ってきた。そんななかであまり語られていない感があるのが、「父親たちの年収」ではないだろうか。今回はそんな漫画に登場した父親キャラの年収を検証してみたい。

荒岩一味『クッキングパパ』

 『クッキングパパ』の主人公、荒岩一味。金丸産業という会社に勤務し、営業二課の課長を務める。福岡県福岡市東区に一軒家を建て家族とともに、大好きな料理を作りながら日々生活を送っている。

  荒岩が住んでいる福岡市東区の「一軒家の相場」は、不動産サイトによると3800万~4000万。さらに自動車と2人の子供を持つ。この生活を維持するためには、それなりの収入が必要になるだろう。

  勤務する金丸産業は福岡県が本社で、東京と大阪、さらに九州にも複数支店を持っている。また、海外で活動をするような描写もあり、商社である可能性が高い。大規模商社の課長であることを考慮すると、1000~1500万程度の年収が予想される。

磯野波平『サザエさん』

  国民的漫画・アニメ『サザエさん』の大黒柱、磯野波平。愛妻のフネに加え、サザエ、カツオ、ワカメを育て上げ、さらにサザエの夫であるフグ田マスオ、孫のタラオと同居している。

  磯野家は漫画の内容などから世田谷区桜新町である可能性が高い。桜新町の一軒家の相場は不動産サイトによると1億~2億円程度。かなり高級な住宅に住んでいるといえるだろう。

  波平の月収はアニメ『サザエさん』で約78万円であることが明かされている。年収に換算すると930万、ボーナスを考慮すると1100万~1300万程度であることが予想される。漫画やアニメではアナログ感のある会社で、残業をしている様子も見られないのだが、かなりの高年収を誇っているようだ。

野原ひろし『クレヨンしんちゃん』

 『クレヨンしんちゃん』野原しんのすけの父、ひろし。埼玉県春日部市に4DKの一軒家を35年ローンで購入。その金額は諸説あるが、3100万円程度といわれる。さらに自動車も持っており、維持費がかかっている。

  ひろしは双葉商事という商社に勤務し、営業部第二課の係長であることが判明している。また、アニメのなかで「月収30万」「宝くじの当選金1億3000万がひろしの給料20年分」という描写があったことから、600~650万である可能性が有力だ。

星一徹 『巨人の星』

  昭和の父親像を体現した存在ともいえる星一徹。彼は戦前に東京読売巨人軍に入団し、その後太平洋戦争へと駆り出される。なんとか生き残ったものの、肩を負傷してしまった。

  戦後巨人に三塁手として復帰するが、送球がままならず、苦悩の末に編み出した「魔送球」を川上哲治に咎められ、退団している。戦前の時代といってもプロ野球選手の年俸は一般人を凌ぐもので、一徹も良い生活をしたものとみられる。

  引退後は失意の日々だったようで、長屋に住み、酒浸りになりながら日雇いの仕事をこなした一徹。飛雄馬に自身の夢を託するようになると、息子を富裕層の生徒が中心の青雲高校に入れるため日雇いで必死に働き、金を工面した。

  星飛雄馬が巨人に入団したことで、生活は楽になったであろう一徹は、息子の壁になるため中日ドラゴンズのコーチに就任。中日が三顧の礼で迎えており、現在の紙幣価値や現在のコーチ陣がもらい受ける年俸を考慮すると2000万~7000万程度の収入を得ていた可能性が高い。

 『新・巨人の星』では、娘の明子が花形モータースの御曹司・花形満と結婚しており、生活に困らない立場となった。花形夫妻から豪邸に住むよう呼びかけられていたが、一徹はそれに応じず安アパートで暮らしていた。

  飛雄馬同様浮き沈みの激しい人生を送った一徹だが、生涯年収はかなり高いものがあったとみられる。

 それぞれが置かれた環境のなかで奮闘し、それなりの年収を稼いでいた漫画を代表する父親たち。これからパパになる人もなった人も、参考になる生き方かもしれない。

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