『ろくでなしBLUES』神回の英語タイトル、なぜいま作者が赤面? 森田まさのり氏が明かしたスイートすぎる日本語訳

『ろくでなしBLUES』神回の“タイトルミス”とは

 現在「グランドジャンプ」で『ザシス』を連載中の漫画家・森田まさのり氏が、X(旧Twitter)上で展開している「なかったことにしたい」シリーズ。『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』、『べしゃり暮らし』など、森田氏が手がけてきたヒット作について、いま振り返って納得のいかないエピソードやミスを自ら指摘しており、“自虐ネタ”風味のコンテンツでファンは楽しませている人気シリーズだ。

 8月31日には「なかったことにしたい。その28」と題した投稿があり、「鬼塚をバックドロップで倒した瞬間にピッタリの、かっこいい言葉だと思ってつけたこのタイトルの正しい意味は「貴方に夢中」…。恥ずかしすぎるやろ!誰か気づけや!」と一言。添えられていた画像は『ろくでなしBLUES』の第148話で、「CRUSH ON YOU」と題された“神回”だ。主人公の前田太尊が渋谷楽翠学園の頭で、東京四天王の一人である鬼塚を葬ったエピソードは、いまもファンの記憶に焼きついている。

 「CRUSH」という言葉は確かに、「完全に打ち負かす」「粉砕する」という意味で、豪快なバックドロップで決着がついたバトルの終焉にピッタリだ。しかし、「CRUSH ON YOU」となると、森田氏の言うように「あなたに夢中」、ないしは「惚れている」「恋に落ちている」という意味合いになり、告白でも使われるようなスイートな内容になってしまうのだ。

 ファンからは「喧嘩相手に夢中という意味では間違いではないのでは?」「逆にオシャレでカッコいいと思いました!」とのコメントもあり、気が利いたタイトル、あるいは微笑ましいミスと受け止められているようだが、森田氏は「なかったことにしたい」様子。この件については、実は2021年6月にもつぶやいており、「誰かの英語の歌詞から取って、ちょっとイキって「CRUSH ON YOU」ってつけた」そうだ。「倒した瞬間にぴったりのカッコいい言葉」だと思ったが、30年越しに意味を知って「ジタバタしてる」としていた。

 さらに、『ろくでなしBLUES』の「なかったことにしたい」シリーズは作画にも及んでおり、9月1日には大場浩人(ヒロト)が突っ伏して倒れているシリアスなシーンを取り上げ、「顔を真っ直ぐ真下に向けて倒れるて無理やろ。顔どっちかに向かへんか普通?見れば見るほど気持ち悪い。地面これ顔の形にえぐれてんのか!?」とセルフツッコミを入れている。

 見ている分には、言われなければ気にしないレベルの一コマかもしれず、悲惨さを強調した漫画的表現と見ることもできそうだが、リアリティを追求する本人はやはり納得できていない様子だ。

 多くのファンにとってすでに“青春の1ページ”になっている作品を、作者本人が掘り返して笑わせてくれるこの企画。今後はどんな「なかったことにしたい」シーンが見られるか、また実際に「なかったことにした」作品が見られることはあるのか、引き続き楽しみにしたい。

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