「邪神ちゃんドロップキック」作者・ユキヲ「僕の漫画家生活にゲームは不可欠」 スマホゲーム全盛時代にレトロゲームで遊ぶ理由

パロディウスシリーズが大好き

――さて、ユキヲ先生は現在、ゲームソフトやゲーム基板を蒐集しておられます。子ども時代にもたくさんソフトはお持ちだったと思いますが、意識して集め始めたのはいつ頃でしょうか。

ユキヲ:ソフトを集め始めたのは、2002年の頃からですね。僕はコレクションとして飾っておくのではなく、遊ぶために集めるタイプで、子どもの頃に一度手放したソフトを大人になってから買い戻したことは何度もあります。僕の中でもゲームの流行があって、最近はスーパーファミコンのゲームにはまっていますね。

――スーファミのゲームを買うときの基準はあるんですか?

ユキヲ:アーケードからスーファミに移植されたソフトを買うことが多いです。子どもの頃にゲームセンターに通っていたので、その思い出を呼び覚ます効果がありますね。

――そんなユキヲ先生に、いくつかお気に入りのソフトをお持ちいただきました。まずは『実況おしゃべりパロディウス』、懐かしいですね! 僕もソフトを持っていました。

ユキヲ:僕はシューティングではパロディウスシリーズが大好きで、『パロディウスだ!』と『極上パロディウス』は今も箱入りで持っています。僕のTwitterのハンドルネームは、@PentarouXですが、これは極パロに出てくる敵キャラからとったものです。隠しステージのボスでペンギンのロボットなんですが、一目見てこいつかっこいいなと思いました。

1995年にコナミが発売した『実況おしゃべりパロディウス』。横スクロールのシューティングゲームで、『パロディウス』シリーズの第4作目にあたり、イラストは漫画家のあさりよしとおが手掛けている。主人公・タコの実況解説が入っているため、「おしゃべり」パロディウスなのである。

――パロディウスシリーズって、敵キャラはかわいいのに攻撃はえぐいですよね。

ユキヲ:純粋にシューティングとして面白いですし、難易度を上げて楽しむことができるので、かなりやり込みました。僕は今でも、極パロは最高難易度で全クリできますよ。

――それは凄い! キャラクターもかわいいですし、女の子キャラはセクシーでユキヲ先生好みなんじゃないですか?

ユキヲ:極パロのひかるとあかねが大好きですね。セクシーといえば、『セクシーパロディウス』だけは、ステージが分岐するシステムにちょっと抵抗があるのですが。今日持ってきた『実況おしゃべりパロディウス』はゲームバランスもいいですし、『ときめきメモリアル』や『がんばれゴエモン』など、コナミのゲームをイメージしたステージが出てきて楽しいんですよ。

アーケードゲームをスーファミに移植した人々の苦労を知る

――『奇々怪界 謎の黒マント』も、ソフトに描かれたキャラがかわいいですね。

ユキヲ:タイトーが出していたアーケードゲームの、スーパーファミコン版です。この小夜ちゃんは見ての通り、巫女さんのキャラですね。中学生のころに遊んだゲームなのですが、小夜ちゃんはたぶん、ゲームの女の子がかわいいなと思った最初のキャラなんですよ(笑)。

1986年にタイトーが製作した『奇々怪界』を、1992年にナツメがスーパーファミコンに移植した『奇々怪界 謎の黒マント』。中央の巫女のキャラクターが小夜ちゃん。お札を打ってお祓い棒で敵を倒していく、シューティングに近い感覚で遊べるゲーム。

――かわいい女の子を描くユキヲ先生の原点ですね(笑)。一方で、『ワールドヒーローズ』は硬派なゲームですね。

ユキヲ:本物志向だったので、当時はネオジオ(SNKが開発した家庭用並びに業務用ゲーム機)で遊んでいました。それがスーファミに移植されたものです。どこまで忠実に移植できているのかなと、最近になって興味本位でやってみたらものすごく面白かったんです。ちなみに、ワールドヒーローズのキャラは「邪神ちゃん」のネタにもなっているほど、気に入っています。

――『ファイナルファイトタフ』はどうですか?

ユキヲ:このゲームは初代『ファイナルファイト』の移植同様に、容量の問題で、敵が一度に画面に3体までしか出てこないんです。1体倒したらすぐ次の1体が出てきたりと、工夫して一度にたくさんの敵と戦ってる感じを出してるんですよ。こういった涙ぐましいメーカーの努力に引き込まれますね。

1989年にカプコンがアーケードゲームとして製作した『ファイナルファイト』は、第4回ゲーメスト大賞で、大賞を獲得した名作。以後、シリーズ化された。スーパーファミコン版4作目にあたる『ファイナルファイトタフ』は1995年の発売。

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