200万円超え登場!! 人気漫画家の色紙オークション いったいどんな人が買うの? どうやって保管する?

 
 以前にも紹介した日本漫画家協会のチャリティーオークションが10月3日からいよいよスタートした。『はじめの一歩』と『メイドインアビス』がまさかのコラボ! 日本漫画家協会のチャリティオークションに注目!

 ニュース番組でも紹介され、SNSでも大きな話題となったこともあり、さっそく高額入札が相次ぎ、100万円を超える色紙も出現した。

 そして、10月9日に1回目のオークションが終了した。注目の漫画家の色紙がいくらで落札されたのか? チェックしてみよう。

つくしあきひと  2,335,000円

出典:ヤフオク! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s1065883721

今回の1回目のオークションで最高額になったつくしあきひとの色紙。『メイドインアビス』はアニメも大きな話題になり、森川ジョージも熱狂的なファンとして知られる。

森川ジョージ×つくしあきひと  1,359,000円

出典:ヤフオク! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1065862767

前述のように、最近、Twitterでも仲の良さを感じる森川とつくしのコラボ色紙。異色のコラボといえるが、ファン垂涎の逸品といえるだろう。

ちばてつや  410,000円

出典:ヤフオク! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o1065891863

今回のオークションの呼びかけ人である、巨匠・ちばてつや。『あしたのジョー』矢吹丈の色紙。ちばてつやの色紙は今回3点出展されるが、そのうちの1点である。

森川ジョージ×ちばてつや  911,000円

出典:ヤフオク! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c1065879069

ボクシング漫画の巨匠同士のコラボは、まさに日本漫画家協会ならではといえるだろう。

里中満智子  526,000円

出典:ヤフオク! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n1065883806

日本漫画家協会の理事長・里中満智子による、『天上の虹』の額田王の色紙である。余談だが、この色紙は筆者が落札したので、近いうちに手元に届く予定だ。到着次第、記事にしたいと思う。

丁寧に着色されたサインは特別なもの

  筆者の友人に色紙のコレクターが何人かいる。そのうち、開業医である友人は「それほど大層なコレクターではないですが……」と謙遜するが、手塚治虫から石ノ森章太郎、永井豪まで、そうそうたる漫画家の色紙を50点ほど所有している。手塚治虫の『ブラック・ジャック』を読んで医者を志したということもあって、無類の漫画好きである。漫画家の色紙の魅力とは何か? 匿名を条件に話をうかがってみた。

 「チャリティーの色紙は、漫画家の気合いの入り方が違います。サイン会などでサラッと描いたサインも魅力なのですが、やはり丁寧に着色されたサインは特別なものがあります。今回はちばてつや先生の呼びかけということもあって、近年稀に見るほど、絵のレベルが高い作品ばかりですね」

 今回のオークションに、彼は入札を検討しているのだろうか。大人の事情により回答をもらえなかったが、仮に落札した場合、色紙はどのようにコレクションするのだろうか。彼はクリニックを経営しているのだから、待合室などにコレクションを飾ればいいのにと思ってしまうのだが。

夜な夜な、額に入れて眺めるのが至福のひと時

 「本当は飾りたいのですが、色紙はどうしても色褪せてしまうので……。飾るとなると、扱いが難しいんですよね。僕自身、そこまでコレクションを見せびらかしたいとは思わないので。自宅で保管するぶんには、極端に湿気のある場所に保管したりしなければ、そこまで神経質になる必要はないと思います。え、楽しみ方ですか? 夜な夜な、額に入れて眺めるのが至福のひと時ですね(笑)。やっぱり1点ものですから、所有したときの満足感が違うんですよ」

 ちなみに、彼は高級腕時計のコレクターでもあり、パテックフィリップやA.ランゲ&ゾーネなどのコレクションを有する。漫画家の色紙と高級腕時計に、通じるものはあるのだろうか。

 「スイスの腕時計が世界に通じる文化であるように、日本の漫画もまた、世界に誇れる文化なんですよ。僕は、漫画家の色紙は美術品と言っていいと思う。それなのに、まだまだ日本では注目度が低いようで、現代美術と比べたらぜんぜん安い。昨今の現代美術や腕時計のように投機の対象になってほしくはありませんが、もっと注目されてもいいのに、と思います」

  日本の漫画は今や世界中に愛され、多くの人を感動させているのだ。オークションが白熱するのは当然なのかもしれない。また、現代美術と異なり、まだまだ投機の対象にはなっていないぶん、本当に好きな人が購入している印象を受ける。彼はこう言った。

 「僕は漫画が好きですし、漫画家になろうと思ったこともあるけれど、絵が下手でなれなかったから、憧れの対象として色紙は持っていたいんですよ。妻には、そんなものを買うならバッグや宝石を買ってほしいと言われ、呆れられていますけれど……。とにかく、好きなものは好きなんです」

  今回のオークションは、入札に参加している人も、参加していない人も絵を見るだけで存分に楽しめるはずだ。このリアルサウンドブックでも、今後の動向を追っていきたいと思う。

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