『みなそこにて』『黄泉のツガイ』『女の子がいる場所は』……漫画ライター・ちゃんめい厳選! 6月のおすすめ新刊漫画

ハルタ『昴とスーさん』(6)高橋那津子

 物語はいつか終わりが来るものだが、この作品に関してはずっとずっと読んでいたかった......。そう思うほど最終巻を読むのが惜しかった、それが『昴とスーさん』だった。

 ある日突然子供の姿になってしまった青年・昴と、その恋人・澪の純愛を描いた本作。読み始めた当初、恋愛版『名探偵コナン』じゃん!などと雑な感想を抱いた自分を殴りたい.....。読み進めていくにつれて、昴は大人と子供を繰り返す、数奇な運命を辿る青年であることが判明。抗えない運命に立ち向かおうとする2人の姿に思わず胸が熱くなる。だが、この重い設定を感じさせないほど、2人の日常やふとした会話がとても可愛らしく、本当に一生見守っていたいほどの尊さに溢れていた。またどこかで2人の続編などの読切が読めたらと、願わずにはいられない。

週刊ヤングジャンプ『ゴールデンカムイ』(30)野田サトル

 ーー食わず嫌いでも読んで頂ければ好きにさせる自信があるから。読む前に偏見があっても好きにさせる自信があるから。

 最終話を含む全話無料公開と共に、こんなコメントを寄せた野田サトル先生。実は、今まで単行本派だったが、この無料公開のお祭り騒ぎに乗っかったため、30巻の展開もこの先の結末も全て知っている。だが、それでも改めて読み直すとページをめくる手が止まらない、そんな猛烈な気迫に溢れた巻だった。特に、野田サトル先生も言及していた「加筆修正」について。表紙を飾る鶴見中尉など、第七師団周りの加筆修正にもう巨大感情闇鍋.....。

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