【漫画】俺様系完璧男子との恋はどうなる? カレの意外な素顔に胸キュン読者が続出

ーー思いの異なるふたりの姿から他者と交際することについて考えさせられた作品でした。創作のきっかけを教えてください。

上機しほ(以下、上機):本作は13年ほど前に商業誌に掲載された作品です。新人作家として読み切り作品を描く必要があったため、本作を創作しました。物語を考えるなかで、モテない俺様系完璧男子がいたら面白いだろうなというアイデアからお話をつくりました。

ーー本作を描くなかで意識した点を教えてください。

上機:当時の編集担当さんから「キュンとするものを描いてほしい」と言われていたので、自分が描くことのできる「キュンとする」漫画を目指して描きました。ただ、今振り返ってみるとうまく表現することができていなかったなぁと思います。

 また本作を創作するなかで、恋をしながらふたりが変わっていく様子を描きたいと思っていました。

ーー対照的なふたりの姿もあいまって、穂くんと三和さんのキャラクターに魅力を感じました。

上機:穂の性格は読者の方には良いように受け入れられないだろうなと思い、多くの人にとってイケメンに見えるように作画を頑張ろうと意識していました。

 そして三和もかわいく感じてもらえるように描こうと意識しました。彼女がうまく振舞えないところに少しイラッとしてしまう読者の方がいるかもしれないと思ったため、表情や素振りなどでかわいいと思ってもらえるように描こうと意識していました。

ーー本作が商業誌に掲載された当時と比べ、Twitterで作品を公開した今回との違いはありましたか。

上機:Twitterに本作を投稿して、穂の行動がモラハラのように思えてしまうという感想をいただき、私も共感してしまいました(笑)。本作を描いた当時、少女漫画でこの作品のような男子が多く登場していたので時代の変化を実感しました。

ーー漫画家として活動するまでの経緯を教えてください。

上機:むかしからお話をつくることが好きで、小学生のころからノートに漫画を描いていました。漫画を描き続けながら社会人となったのですが、会社で働き始めたところ1年ほどで体調を崩してしまったのです。

 漫画家は心身を削る職業だと思い、自分にはできない仕事だと思っていました。ただ体調を崩したとき、どうせなら自分の好きなことで体を壊したいなと思い、商業作家を目指すようになりました。

ーー実際に漫画家になって心境の変化はありましたか。

上機:自分が思っていたよりもつらくなかったです。ときに徹夜をするときもありますが、漫画家って想像していたよりも体をボロボロにする職業ではないなと感じました。

ーー上機さんが影響を受けた漫画作品を教えてください。

上機:『夏目友人帳』などで知られる緑川ゆき先生の作品が好きです。とくに『あかく咲く声』が好きで、演出力や言葉の選び方などが心に響き、最終話では涙がポロポロと流れるほど衝撃を受けました。

 主人公の国府さんが同級生の辛島くんに思いを寄せるという物語なのですが、辛島くんは特殊な能力をもつため人との距離をとっています。国府さんが思いを伝えた際にも辛島くんは彼女との距離をとろうとするのですが、その瞬間に国府さんが笑顔でとある言葉を贈るのです。その言葉でどれだけ辛島くんが救われたのかと思い、作品を読みながら大号泣してしまいました。

ーー今後の目標を教えてください。

上機:たくさんの読者に届けられるような作品をつくっていけたらと思っています。また切ない話やミステリーものも好きなので、そういった作品も描いてみたいです。

上機さんのTwitter:https://twitter.com/kamihatashiho

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