26時のマスカレイド・吉井美優が明かす、1st写真集への覚悟「これまでの自分からは、考えられない行動をしました」

吉井美優、1st写真集への覚悟

 アイドルグループ・26時のマスカレイドの吉井美優が3月11日に1st写真集『Momentary』(小学館)を発売した。沖縄・宮古島のあたたかい風と柔らかな光を受けて切り取られた、大人な瞬間。ページをめくるたび、彼女の優美な存在感に深く触れられる、何とも心地の良い一冊だ。


 写真集に流れる穏やかな時間とは裏腹に、本作には、数々の紆余曲折を経て完成した背景がある。というのも、新型コロナの影響から撮影の延期が続き、思い通りに制作が進まず、発表から約1年越しに発売が実現したのだ。

 しかし本作には、そういったスケジュールのずれ込みもまた、意味のある導きだったのかもしれないと思える光が見えた。インタビューを通して感じたその光の正体は、“1年越しの思い”と“ファンに対する真摯な気持ち”だった。(とり)

【インタビューの最後に、吉井美優さんのサイン入りチェキプレゼントあり】

リスケになった日は、必ずラーメンを

――発表から約1年越しに発売となった本作ですが、撮影自体はいつ頃に?

吉井:昨年の11月です。コロナの影響で2、3回ほどリスケになり、ようやくでした。

――何度も撮影が延期になると不安になりますよね。本当に写真集は出せるのだろうかと。

吉井:はい。撮影が無くなるたびに、発売自体が難しくなった場合を考えて、期待し過ぎないよう気持ちをコントロールしていました。ただ、そうなると、待ってくださるファンの方に嘘をついたことになっちゃうし、「絶対に出したい、いや、出さなきゃ」といった思いもあって……。

 とにかく今は、無事に撮影を終えられて、みなさんに写真集をお届けできると決まって、ひと安心です。逆に、1年延びたことによって、みなさんの期待値が上がっているんじゃないか、ちゃんとその期待に応えられる作品になっているだろうかって不安が、新たに芽生えてきましたね(笑)。

――美容管理や体づくりなど、撮影に向けての準備もありますよね。予定変更が続くなかで、その辺りはどう調整されたんですか?

吉井:最初の頃は落ち込みまくりでした。撮影予定日の1ヶ月前から筋トレ、食事制限、美容を頑張っても、1週間前にバラシになったと連絡が入るんです……。「あぁ、あの頑張った時間は無駄だったんだなぁ」と、体型よりメンタルを保つ方が難しかったです。でも、頑張ったぶん綺麗になれたし、結果的に自分磨きができたことに変わりはない。そうやって自分の頑張りをプラスに捉えられるようになってからは、むしろ、いつ撮影の予定が入ってもいいよう、定期的にジム通いをはじめました。そういう意味では、撮影関係なく、自分を鍛えられた1年だったと言えるかもしれませんね。実際、10月頭に撮影が決まったときも、全く焦りはなかったです!

――常に美意識を持つのも簡単じゃないですからね。とはいえ、ラーメン好きの吉井さん。この1年間はかなり我慢されていたんじゃないですか?

吉井:めっちゃしました! 辛かった……! だから、撮影がなくなったと言われた日は絶対に食べに行きました。今日くらいいいよねってことで(笑)。

――唯一、油断が許される日ですもんね(笑)。本作にもBBQをしているカットがありますが、やっぱり美味しそうにご飯を食べているシーンは活き活きしていますね。

吉井:BBQをしたのは1日目の夜ですね。宮古島名物の宮古牛を食べました。撮影に向けて二日前からご飯を抜いていたので、胃が幸せでしたよ。次の日に水着の撮影があったから、食べすぎないよう気をつけてはいましたけど。

――そんな期待と不安の数ヶ月を経て迎えた撮影当日は、どんな心境でした?

吉井:この一撮一撮が本当に写真集になるんだと、うれしさと感動でいっぱいでした。はじめての写真集ではあったものの、『週刊ビッグコミックスピリッツ』の撮り下ろしでお世話になったチームでの撮影でしたし、緊張しすぎることなく、気分的にはリラックスしていましたね。

今までの自分からは考えられないこだわりよう

――そもそも、撮影前はどんな写真集にしようと?

吉井:“儚さ”や“美しさ”を感じてもらえる写真集にしたいと思っていました。アイドルといっても、私は、いわゆる“元気で明るいキャラ”ではないですし、今年の3月で23歳になったので、大人な一面も見せていきたくて。

 それに本作に関しては、自分でも不思議なくらい、積極的に意見を出していたんですよ。普段は、強く自己主張するどころか、みんなの後をついていくことが多いタイプなのに。例えば、いちばん最初の衣装合わせのとき。沖縄らしい明るい色味の衣装をたくさん持ってきてくださっていたんですけど、私のイメージとはちょっと違ったので、スタイリストさんに素直にお伝えしたんですよね。これまでの自分からは、考えられない行動でした。

――それだけ本作に対する思いが強かったと。

吉井:せっかく用意してくださった衣装に対して、自分の意見を主張するのは心苦しかったです。でも、はじめての写真集は一生モノだし、何より、1年も待たせてしまっているファンの方に「待った甲斐があった」と満足してもらえる一冊にしたかったんです。

 グループでの私を知っている方がこの記事を読んだらビックリするんじゃないかな。「え、そこまで考えていたの?」って。本来ならスタッフの方に決めていただく予定だった表紙も「自分で選びたいです」と言って、決めさせてもらいましたし。

――インパクトのある表紙ですよね。はじめて見たときは、思わず目を引かれましたよ。

吉井:本当ですか?良かったです。最初は、私のいちばんのお気に入りカットでもある、白いお花を持っている写真を表紙にしたいと思っていたんですよ。ただ、このカットは「いつもの吉井美優だな」って感じで、意外性より安定感が勝(まさ)っているんですね。それよりも、大人な顔を見せた方がインパクトがありますし、写真集のタイトル「momentary(モーメンタリー)」が持つ「瞬間的」という意味にも合っている気がして、この表紙にしたんです。

――表紙と裏表紙は、同じシチュエーションですか?

吉井:表紙は朝日で、裏表紙は夕暮れですね。表紙に合わせて選んだ裏表紙ではありますが、似ているようで、違う光なんですよ。

――本当に細かい部分にまでこだわっていますね。

吉井:はい。なかはお任せなんですが、外見(そとみ)は全部自分です。今思うと、1年間、ずーっと頭の片隅で写真集のことを考えていたから、自分でも意外に感じるほど、意見を貫けたんだと思います。1年前に撮っていたら、また表情も違っていたでしょうし、不安だらけの日々でしたけど、結果オーライですかね。

――そういえば、以前、森みはるさんが写真集を出された際に本サイトでインタビューをさせてもらったとき、「泡風呂がしたかった」と言われていたんですけど、本作にも泡風呂のシーンがあるじゃないですか。仲の良いお二人ですし、意思疎通しているのかと思ったのですが……。

吉井:あぁ、森さんは言っていましたね。「泡風呂を提案した」って。でも、違います(キッパリ)。私は現場で「次、泡風呂の撮影です」と言われて、はじめて泡風呂のシーンがあると知りましたから(笑)。

――そうなんですね(笑)。失礼しました。

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