伊藤健太郎の美足カットに要注目! 写真集『JUNCTION』をこまやかに慈しむ

読者がこまやかに慈しむ写真集
右足のかかとに付いた砂粒までいとしい…。左足のアキレス腱あたりにも一粒。いや、これは印刷ページに付着したゴミか、それとも陽光の反射か何か。と思って息を吹きかけ、もう一度目を凝らしてみると、やっぱり一粒だけ砂が付いている。これもまたいとしい限りだ。
2026年3月10日に発売された、伊藤健太郎の3rd写真集『JUNCTION』は、こうして読者がこまやかに慈しむことができる。サーフィンをこよなく愛する伊藤が、サーフボードを抱え、砂浜を裸足で踏みしめる。足裏に付いた砂粒たちがざわざわと楽しげな、足元カットがまず目を引く。
隣のページに目を向けると、今度はボードを抱えた伊藤が防波堤を歩く、ゆるやかな引きのカット。足元の寄りから引きへと段々、遠近感が狂う。次ページを開いてさらに圧倒される。見開きいっぱいに海の青色が広がる。その中央で今まさに波を漕ぐ(パドリングする)伊藤が、波に乗ろうとしている瞬間だ。3D眼鏡を装着したのかと錯覚するくらい、読者の視線の先で伊藤健太郎が生き生きと動いているように見える。
波乗り健太郎による80代現役宣言?
写真集巻末インタビューによると、伊藤は80代になっても「パドルアウト」ができる人でありたいと言っている。パドルアウトとは、沖に向かってパドリングすることを意味するサーフィン用語だ。上述した、見開きいっぱいのパドリングは20代の逞しい漕ぎ方だが、80代になった伊藤がどんなパドルアルトの境地にたどり着くのか想像してしまう。
インタビューでの発言は、サーフィンを愛する波乗り健太郎による80代現役宣言だといっていい。80代の名優であり、尚且つ現役サーファー。理想的な年の取り方ではないか。別に湘南ボーイである必要はない。写真集のロケ地である沖縄でもどこでも、そこに波があれば、サッとサーフボードを抱えて浜辺に出て、ただ現役の波乗りであり続ける。
80代になった波乗り健太郎の姿が目に浮かぶ。もちろん老化する肉体との相談にはなるだろうが、写真集を眺めていると少なくとも彼の足元だけは老化しない気がするのが不思議だ。一連のサーフィンカットの後、写真集はスケートボードに乗り換えた伊藤を捉えるが、少し汚れたスニーカーがいい味を出していて、ゆるやかな経過カットで場面を変える。そこで目を引くのもやはり足元なのだった。
伊藤健太郎の美足カットに要注目!
前半のカジュアルなスタイルに対して雰囲気は変わる。今度は、テーラードのジャケットがエレガンスを醸す。目線を下にやると、足元は何と裸足。上下のメリハリがあざやかだ。仕立てのいい服はすぐシワが付くんじゃないかと気になってくる。中にはシワを嫌い、なるべく被写体には無理な姿勢をさせないよう要望を出すスタイリストもいる。でもこの写真集にそんな制約はないといっていいだろう。何より伊藤の着こなしは、メリハリと脱力感が魅力なのだから。
ベッド上に座り、右膝を立てる。膝裏はもうシワシワだろうか。そうなってでも読者に見せたいものがある。砂浜の寄りのカットでは砂まみれになっていた右足。砂浜もベッドも裸足でいることがいかにも自然なスタイルを演出する。伊藤が80代になってもきっとこの美足は美足のままだろう。そんな逞しさがある。浮き出た血管も含め、『JUNCTION』の要注目カットであることは強調しておきたい。
伊藤健太郎は美足の俳優でもある。写真集巻末インタビューで、ターニングポイントといえる作品を聞かれた伊藤は、紫ウニのトゲトゲ風ヘアーのツッパリ高校生を演じたドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系、2018)を挙げていたが、前年放送の懐かしいドラマ『アシガール』(NHK)はまさに美足の作品だった。第1話序盤、伊藤演じる若君・羽木九八郎忠清がヒロインを前に地べたに座り込む場面があり、あぐらを組んだ右足の親指が実に色っぽい。ちょうど『JUNCTION』ベッド上で立てた右足を下にして組めば、同じあぐらが再現できるはずだ。
第4話では夜の寝屋の場面でも、右足を下にしてあぐらをくんでいた。夜の寝屋だからより色っぽい。武士の裸足スタイルであっても、伊藤が演じるとどうしても美足になってしまう。ドラマタイトルの「アシ」を伊藤の「足」と変換してもいい。同じNHKの時代劇作品である、大河ドラマ『光る君へ』(NHK、2024)では逆に左足にかけてタラっと血を流して、手当てをしてもらう場面まであった。写真集では美足カット、ドラマ作品では美足ショットというように、伊藤健太郎の美足にクローズアップし過ぎるくらいが楽しい。






















