北野日奈子が明かす、乃木坂46卒業への思い「いつの間にか後輩たちがグループを守る側に立っていた」

北野日奈子が語る、乃木坂46卒業と写真集

 乃木坂46からの卒業を発表した北野日奈子の2nd写真集『希望の方角』(白夜書房)が2月8日に発売された。1st写真集『空気の色』発売から約3年。その間に起こった、乃木坂46を取り巻く環境の動きと、北野日奈子の心の変化。両作を見比べると、同じ笑顔でもどこか違う温度を感じる。

 本作は、北野日奈子の要望により、カメラマンの藤本和典をはじめ前作と全く同じスタッフが集結している。3年前をともにしたメンバーと新たに作り上げた特別な時間。写真集に写る北野日奈子ののびのびとした笑顔や、自然体な仕草から、居心地のいいチームでの撮影だったことがうかがえる。あがってきた写真を見て、北野日奈子は何を感じたのだろうか。この3年間の出来事を含め、話を聞いた。(とり)

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3年前と比べて大人になった

――全体的に北野さんの動きが感じられる写真集ですね。

北野:私、撮影中でもお構いなしに興味のある方へ動いていっちゃうので(笑)。でも、前作に続きお世話になったカメラマンの藤本さんは、いつも私の自由な動きを追いかけてくださるんです。何なら、私以上にハイテンションなんじゃないかってくらい、いい意味でふざけてくださるので、心から楽しんで撮影ができましたね。

――前作と全く同じスタッフさんで撮影されたのは、北野さん自身のご要望だったとか。それほど前作の出来に満足されていたということでしょうか。

北野:そうですね。前作でお世話になったスタッフさんとは本当に仲が良くて。何でもさらけ出せる間柄なんですよ。やっぱり写真集では、雑誌でお見せしているような決めカットとは違った、何気ない瞬間をお届けしたいじゃないですか。そう思ったとき、前作と同じスタッフさんとじゃないと、私らしく心を開いた状態で振る舞えない気がしたんですよね。

 実際、事前に写真集のテーマとして”近い距離感で”というのは決めていたんですけど、正直、写真集の撮影をしている感覚はありませんでした。仲のいいメンバーで鹿児島に卒業旅行しに来た、みたいな。楽しかった思い出ばかりで、シャッターがいつ押されていたか記憶にないくらいです。テーマを決めていなくても、自然と距離感の近い写真集になっていたんじゃないですかね。

――久々にお会いしても、チーム感は変わらずだったんですね。

北野:本音を言うと、ちょっぴり照れ臭さもありましたよ。ほかの現場で個別にお会いしてはいたものの、全員で集まるのは前作以来、約3年ぶりですから。その分、大人な表情がたくさん写っていると思います。

 撮影が終わったあとに写真を見させてもらったときは、スタッフさんみんなが「いつもの日奈子っぽいね」と言ってくれたこともあって。私自身、成長が感じられる写真集になる実感はなかったのですが、後日送られてきた構成済みのデータをお母さんに見せたら「大人になったね」って、少しウルウルしていたんですよ。毎日、顔を合わせているはずなのに、不思議ですよね。前作と見比べて、よりそう感じたのかもしれません。お母さんの言葉を聞いて、私もこみ上げてくるものがありましたね。

――写真集はご家族にもお見せしているんですね。

北野:もちろんです。お父さんも「今回もいい感じだね」って喜んで見てくれました。お兄ちゃんくらいですかね。恥ずかしがって見てくれないのは。前作が出たときも、わざと水着カットのページをベッドの上に広げて、どんな反応をするか見ていたんですけど、そっと閉じられてしまいました。今回も、懲りずにやってやろうと思っていますけど(笑)。

――仲の良いご家族ですね。

北野:そう言えば、今回のロケ地には、お母さんが選んでくれた場所もあるんですよ。千座(ちくら)の岩屋。黄色いワンピースを着て歩いている岩窟ですね。種子島の有名な観光スポットで、潮が引くと岩の間を歩けるようになるんですよ。お母さんに「せっかくならここ行って来なよ!」って教えてもらったので、行って来ました。

 ただ、私たちが行ったときは全然潮が引いていなくて、入れそうになるまでずっとそこらの猫たちと遊んでいたんですよね。その猫と遊んでいるカットも裏表紙に使われていますし、岩の間で撮れたステキなカットもたくさんあるので、ぜひ注目して見ていただきたいですね。

“破顔”が強み

――鹿児島には初めて行かれたんですか?

北野:アンダーライブで行ったきりで、観光は全く。「(大園)桃子の地元だな〜」くらいの印象でしたし、何が有名か全然知らなかったですね。スタッフさんから送られてくるロケ地の写真も、緑豊かなジャングルばかりだったのでドキドキしましたよ。一体、どんな写真が撮れるんだろう!?って。

――砂風呂に入っているシーンもありますね。

北野:砂風呂のシーンは、初日のいちばん最初に撮ったんですよ。人生初の砂風呂。掘れば掘るほど砂の中が温かくて「地球ってすごいんだなぁ」って感動していたら、「これ表紙でいいんじゃない?」なんて声が聞こえてきて。初っ端から不安になりました(笑)。

――それも、前作から続く関係性があってのエピソードですね。ちなみにカメラマンの藤本さんとは、撮影中にどんな話をしましたか?

北野:そう言えば、褒め言葉をいただきました。「破顔がいいよね」って。

――崩れた表情がいいと。

北野:はい。「ほかの子だったら、崩れた表情の写真は使わない場合が多いのに、きいちゃんはむしろ破顔が魅力的だから強いよね」って。これ、褒められているんですかね?

――なかなか言われない褒め言葉かもしれませんね。

北野:初めて言われましたよ。例えば、最初の方にある船の上のシーンで、髪の毛が乱れているカットがあるんですけど、私としては、これを載せるのに抵抗があったんですね。確か、グルグル回りながら連写して撮った一枚で。やっぱり、恥ずかしいじゃないですか。そんな私の気持ちをよそに「この写真、いいよね」って話の流れになったときは、どう抵抗しようかと必死に考えましたよ(笑)。でも、私の強みは”破顔”だと、藤本さんの言葉を思い出したら、なぜか自信も出てきて。

――私も、いい一枚だと思いましたよ。

北野:本当ですか? マリオに出てくるクリボーが踏まれている瞬間みたいじゃないですか?

――そんなことないですよ(笑)。

北野:なら良かったです(笑)。多分、この撮影チームじゃなかったら、もっとカッコつけた写真集になっていた気がしますね。ほかのメンバーの写真集を見ていると、みんなかわいいし、スタイルもいいし、どのページをめくっても「あ、乃木坂46だ!」って思えるのに対して、私の写真集は、逆に乃木坂46らしくない表情もあるというか。それが、魅力的な破顔ってことですよね。恥ずかしいですけど、いろんな表情が写っているので見飽きる心配はないはずです!

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