『SLAM DUNK』清田信長の熱い“エール”が物語を盛り上げる 「No.1ルーキー」の感動的な姿を考察

 要するに、スポーツ漫画における「ライバル」とは、あくまでも主人公たちにとっての“倒すべき強敵”ではあるが、決して“悪役”ではないということだ。だからこそ、“彼ら”(=ライバルたち)は、一度真剣に戦った相手のことを心からリスペクトし、応援する。最初は“ヒール”の役割を与えられて登場した豊玉高校の南烈ですら、湘北との試合を通じてアスリート本来の姿を取り戻し、のちに負傷させた流川に対して、彼なりの「エール」を送るではないか。

 いずれにせよ、こうしたライバルたちの姿を繰り返し描くことが、実は、派手なプレイや苦しい特訓の場面の描写と同じくらい、スポーツ漫画を盛り上げるうえでは重要なのだと私は思う。そして、それをもっともわかりやすいかたちで“体現”してくれているのが、清田信長という、あの生意気だけどどこか可愛いやつなのではあるまいか。そう、「No.1ルーキー」の肩書きは、あながちハッタリではないのである。

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