漫画『大奥』もあればアニメ『ゴジラS.P』もある 第42回日本SF大賞候補作を大紹介
日本SF作家クラブが選ぶ賞で、日本SF作家クラブ編のアンソロジーが受賞した時、誰が誰にトロフィーを手渡すのか。そんな興味をかき立ててくれる『ポストコロナのSF』(早川書房)も候補入り。コロナ禍という世紀の出来事に対してSF作家たちが、それぞれの想像力を駆使して起こりえる出来事、未来への影響などを描いている。
高山羽根子も、配信者たちにあふれた世界で真実を見出す困難さを問う「透明な街」を寄稿。『天冥の標』の小川一水や『オービタルクラウド』の藤井太洋ら、日本SF大賞受賞作家も多く参加する中、濡れたタオルを振り回して対戦するヤクザが主役の天沢時生「ドストピア」が異色さで際立つ。どこがコロナものなのかは読んで感じよう。
テレビアニメも候補になるのが日本SF大賞。『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』が受賞すれば、『地球外少年少女』が話題の磯光雄監督『電脳コイル』で受賞して以来となる。ゴジラは『シン・ゴジラ』が第37回で特別賞を受賞しているが、第17回を『ガメラ2 レギオン襲来』で受賞したライバルのガメラのように、本賞を狙いたいところだ。