ゴムゴムの実の真価、ルナーリア族の謎、ジョイボーイの正体……『ONE PIECE』2021年の注目ポイントを総括
連載が1000回を突破、コミックスも100巻を超えて、2021年に大きな盛り上がりを見せた『ONE PIECE』。ルフィたち麦わらの一味の冒険もいよいよ終盤に差し掛かり、ますます見逃せない状況が続いている。今年開催された『第3回全国一斉ONE PIECEナレッジキング決定戦』で準優勝となったワンピース研究家の神木健児氏(@onepiece_kun)に、2021年の『ONE PIECE』のポイントをおさらいしてもらった。
「2021年は節目が多く、原作1000話に始まりコミックス100巻、そしてアニメ1000話と『ONE PIECE』ファンにとってはお祭りがずっと続くような1年でした。『第1回 ONE PIECEキャラクター世界人気投票』や、蜷川実花監督による『ONE PIECE』をテーマとしたドラマ『“WE ARE ONE.”』、JAXAとKIBO宇宙放送局とコラボレーションした『KIBO DISCOVER PROJECT』など、新しくておめでたい企画も数多くありました。2020年に『ジャンプ+』で展開された無料キャンペーンで新たにファンになった方も多かったと思いますが、今年はさらに物語を読み返した方も多かったのではないでしょうか。今まで追ってきたファンにとっては、ご褒美のような楽しい1年だったはずです」
連載中のワノ国編にも、数多くの注目ポイントがあったという。
「原作では例年通り、多くの謎が散りばめられていましたが、今年の特色としては短期的に回収されるタイプの謎というより、『ONE PIECE』の世界の謎に直結するような壮大な謎が多かったように思います。たとえば、現在ゾロとバトルしているキングは、かつて赤い土の大陸の上に住んでいたとされるルナーリア族の生き残りだったことが判明していますし、太陽の神ニカといった伝説の存在や、過去を語るうえで重要であろうジョイボーイについての言及もありました。また、前に光月おでんの航海日誌『おでん漫遊記』を振り返る回想では、海賊王ゴール・D・ロジャーの旅の一部が描かれましたが、今年はさらにそれをモモの助が見て自分の役割に気付くようなシーンもありました。これらはまさに“ワンピース=ひとつなぎの大秘宝”の正体に直結する謎だと思われます。今年も毎週ジャンプやコミックスで楽しませてもらったのですが、その一方では物語が終盤であることを肌で感じた一年でもありました」
また、あらゆる謎が主人公のルフィに集約されていったのも、大きなポイントだと神木氏は続ける。
「先述したジョイボーイについてもそうですが、フーズ・フーの発言からルフィが食べた“ゴムゴムの実”が、実は世界にとって極めて重要なものだった可能性が示唆されています。物語序盤では、東の海の小さな村から海賊王になるという夢を抱いて旅立った一人の少年だと思われたルフィが、実はこの世界の未来を左右する重要な役割を果たす運命を背負った人物だったことが、だんだんと判明しつつある、ということなのかもしれません。12月に開催された『ジャンプフェスタ2022』で作者の尾田栄一郎先生は、2022年は主人公に注目してくださいと仰っていました。来年は、ルフィが背負った運命がどのようなものだったのかが明らかになるのかもしれません」
一方、昨年度の『ジャンプフェスタ2021』で尾田栄一郎先生が語っていた「赤い髪の男」の動向については、あまり描かれなかったという。