人気沸騰!桂浜水族館・おとどちゃんが語る次なる野望 「映像という形でハマスイの物語を残したい」

桂浜水族館・おとどちゃんが語る野望

ファンレターがお酒の“サカナ”

――エッセイはそんな日々の中でおとどちゃんの抱える“生きづらさ”が解消されていくような構成になっていましたが、ハマスイには不思議とありのままを受け入れてくれる空気感が漂っていますよね。

おとど:確かに。私がこの水族館で飼育員たちと過ごす日々に“生きづらさ”を解消できたように「動物やお魚に癒されに来ました」っていうよりは、ふらっと訪れてアシカプールの前で一日中ぼーっとしたり、なにを見るというわけでもなくただおるという方も多くて。ここにおることで心が救われると来てくださる方らぁが、ハマスイのホスピタリティ的な魅力を発信してくれることによって、「あそこに行ったら自分にも居場所ができるんじゃないか」って訪れてくれる方が増えて、自然とそういう空気感が漂う場所になったがじゃないろうか。

――お悩みを相談されることも多いおとどちゃんですが、回答する上で気をつけていることはありますか?

おとど:相談してくれる方は私のことを知っちゅうけど、私は相手をまったく知らん場合もあって、ある日、突然、知らん方の壮絶な人生に飛び込むわけです。すでに交流があればどんな人かわかっちゅうき相談にも乗りやすいがやけど、初対面の方はとても難しいです。誰ひとりとして同じ人はおらん。似た境遇や事情はあっても、同じ悩みはひとつもない。答えだってひとつじゃない。私がプレゼントする答えは「すべて」じゃない。文章からその方の人となりや、今私になにを求めてちゅうのかを想像しながら、私なりに真剣に、ひとりひとりに合った言葉で返すように心がけてます。

――この数年でSNSが大きな話題となり、様々なメディアにも取り上げられるようになったハマスイですが、どんどん有名になっていくことに対してどのように感じていましたか?

おとど:ありがたいことながやけど、一方で昔から応援してくれゆう方に「有名になって遠い存在になった」「手の届かない存在になってしまった」って言われることもあって、すごく寂しいです。私自身もハマスイも大切にしゆう部分は何も変わってないき、そういう方には「そんなこと言いなや~!寂しいやんか~!」って伝えるようにしてます(笑)。

――一方で桂浜水族館や、高知にも行ったことがないというファンも増えたと思います。今回で東京に来られるのは3度目とのことですが、過去にはファンの方と交流できるイベントなどにも参加されていましたね。

おとど:普段なかなか会えんファンの方なんかは、「やっと会えた~!」って泣いてくれるがです。いつももらい泣きしそうになるき、やめてー!って思います(笑)。でもそうやって温かく迎えてくれるが、ほんまに嬉しいです。お手紙も結構いただくがやけど、大事に入れてちゅう箱からときどき取り出して、お酒を飲みながら読んで泣いてます。

おとどちゃんの野望

――コロナも少しずつ収束しつつありますが、まだなかなか足を運べずにいる方もいらっしゃると思います。そういう全国のファンに向けて、どのような活動をしていきたいですか?

おとど:コロナのことだけじゃなく、身体的・精神的な事情があって直接会えん方がおります。誰ひとりとして取りこぼしたくない。誰かが寂しい思いをしゆうと、やっぱり私らぁも寂しいがです。やき、現地だけじゃなく、オンラインでの活動とか今回のエッセイやったり、温故知新のもと枠にとらわれず、これからもハマスイという場所をみんなと共有したいと思ってます。

――今後のおとどちゃんの野望を教えてください。

おとど:写真集とファンブック、今回ついにエッセイを出版させてもろうて、まだ唯一できていないのが、映像作品をつくることながよね。やき次は、舞台か映画かアニメかドラマか……!! なにか映像という形でハマスイの物語を残したいです!

――その場合、やはり主演はおとどちゃんですか?

おとど:うーん、私も出たいけどおまけ程度で、全力で脚本を担当したいです! 主演はやっぱり飼育員。その場合はみんな目立ちたがり屋やき、俳優さんは一切使わず本人出演にしてあげてください(笑)。

――ではあまり、写真撮影の時も飼育員さんたちから「恥ずかしいから撮らないで!」と断られることもないんですね。

おとど:ないですね。はじめのうちはぎこちない子ももちろんおるけど、だんだんなにかに感化されるがか、慣れながか、もともと持っちゅうものが覚醒したがか、みんな出たがりで、むしろ「撮ってください!」って(笑)。たまにカメラの方を向いて、「今やで」ってさりげなく撮影チャンスを教えてきちょったり、「あ、これは格好つけちゅうな」ってわかりします。例えばアシカのトレーニングをする時や、水槽の掃除をする時なんかも、記録のためというのもあるがやけど、自分らぁを撮ってもらうためにカメラ係を呼びに来たりするがです。可愛いやろう。

――これまでも色んな取材で聞かれたと思うのですが、今改めておとどちゃんが思うハマスイの魅力って何でしょう?

おとど:やっぱりファンの方が熱いところ!いやクセが強い!いつも私らぁの想像を超えてくるっていうか、私らぁ以上にハマスイを大事にしてくれるがよ。飼育員の似顔絵を描いてくれたり、オリジナルのグッズを作ってくれたり。中にはハマスイで撮った写真をまとめたアルバムや、コツメカワウソの成長記録を送ってくれる方も。みんなすごいなー!アーティストやなー!!って感心します。こんな風に私らぁスタッフだけじゃなく、ファンの方も一丸となって「桂浜水族館」っていうひとつの場所を作っていけるところが魅力じゃないろうか。

――最後にそんなハマスイファンの皆さんにメッセージをお願いします!

おとど:まず、みんなぁのおかげで桂浜水族館は無事に創業90周年を迎えることができました。ほんまにほんまにありがとうございます。もちろんみんなぁに伝えたいのは、「これからもいっしょに走り続けていきましょう!」ってことながやけど、桂浜水族館っていう場所が必要じゃなくなったり、なにかをきっかけに離れる方もおる。でもそれで「置いていかれた」とは思わんし、その日までちゃんとその人の中で心の支えとなって、役目を果たしたからやと思ってます。離れていく方は、バイバイって手を振って笑顔で見送りたい。だからこそ、できればいっしょに創業100周年に向かって走り続けてくれたら嬉しいです。

■書誌情報
『桂浜水族館ダイアリー』
著者:おとど
出版社:光文社
発売日:2021年11月25日
価格:1,540円(税込)

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