【漫画】増え始めた白髪、あなたはどうする? 「星の光で髪を染める話」が提示する加齢との素敵な向き合い方
ーー「星の光で髪を染める話」は、「白髪」という、加齢によって多くの人が気にし得る変化について、素敵な解釈が提示されています。本作を描いたきかっけを教えてください。
桜木きぬ:私自身が35歳を超えた頃から白髪が増えてきました。 最初は白髪がとても嫌で、抜いたり染めたりしていたのですが、ネットで素敵なグレイヘアの方を見かけて、このままでも良いのかもと思い始めました。 白髪にはネガティブな感情を持つ方が多いと思いますが、ほとんどの人に起こる自然な現象なので、もう少しポジティブなイメージを持ってもいいのではという気持ちで描きました。
ーーアニメーション映画のセリフが印象的な形で取り上げられています。
桜木きぬ:漫画で取り上げさせていただいた、スタジオジブリの『ハウルの動く城』のハウルのセリフには本当にハッとさせられました。 若い姿に戻ったソフィーの髪の毛が白いままなのを見て、私は「髪の毛はおばあさんのままなのか〜かわいそうかも」と思ってしまったのですが、ハウルの一言で全く見方が変わりました。 星という字が入りますが「幾星霜」という言葉は時の流れを意味しています。 星の光が染める、というのは年月を経て変化した髪の毛という意味にもとれるなぁと思いました。
ーー本作は、現在認知度が高まっている、タテ読み作品として制作されています。その理由や狙いについても聞かせてください。
桜木きぬ:webtoon(ウェブトゥーン)には興味があって色々調べてはいたのですが、描くのは初めてでした。 縦読みマンガは文字も大きめで、コマ割りも素直に上から下に読めば良いので、多くの人にとって読みやすい形式だと思います。私は縦読みマンガはある意味マンガのバリアフリー化だと感じています。特に今回のマンガは中高年の方にも読んでいただけたらと思っていたので、視力に問題があっても読みやすい、この形でやってみようと思いました。
ーーそもそも桜木さんが漫画を描くようになったきっかけとは?
桜木きぬ:マンガは小学生の時に、仲の良かった友達の影響で描き始めましたが 大学に進学してから子どもが最近になるまでは全く描いていませんでした。 ここ5〜6年は縁があってイラストレーターとして仕事をさせていただいています。広告マンガなどを多く描くようになってから、今一度自分で考えたお話を描いてみたいと思い始めたところです。
ーー漫画を描くとき、大事にしているポイントがあれば教えてください。
桜木きぬ:読んだ後に明るい、楽しい気持ちになれるマンガが描きたいし自分自身も楽しんで描きたいと思います。
ーー今後、どんな作品をつくっていきたいですか。
桜木きぬ:平日は毎日エッセイ4コマをツイッターに載せています。 ツイッターでは縦読みのマンガは読みにくい部分もあると思うので、ツイッターだけではなく他のところでもマンガを読んでもらえるようにしていきたいです。 私は今年40歳になったのですが、同世代の人やもっと上の年代の人々にもネットで手軽に楽しんでもらえるマンガが描けたらいいなと考えています。
プロフィール
桜木きぬ
これからマンガも描きたいイラストレーターです。 普段は広告などのイラストを描いています。(HP http://mi-zu-umi.com) ツイッター(@kinumanga)で平日毎日エッセイマンガを載せています。