『よう実』清隆の狙いとは……? 2年生編になっても衰えない人気の秘密を探る
最新刊となる『2年生編5』では、クラスの全員が賛成か反対で一致しなければ先へと進めない問題が与えられる。これに取り組んでいる最中に、清隆が今までにない自己主張をして、周囲から驚かれる。その試験内容がなかなか苛烈なデスゲーム。話題のドラマ『イカゲーム』のように生死に関わるほどではないとはいえ、学生たちにとっては将来に関わる問題だった。現実世界でもしも自分たちがつきつけられたら、どういった判断を下すのかと考えさせられる。
導き出された結果も、それが本当に正しかったのかといった迷いを残す。結果が出るまでの過程でかわされた言葉の応酬が、団結していたクラスにヒビを入れた可能性もある。一方で、何としてでもポイントで逆転してAクラスとして卒業を迎えなくてはといった思いで結束が高まる可能性も浮かぶ。組織を運営する上で大切な、人心の掌握に大切なこととは何かを考えさせられる作品でもある。
これだけの人気シリーズであるにも関わらず、『このライトノベルがすごい!』で『よう実』が1位になったことがない。最新の『このライトノベルがすごい!2021』では3位だった。とはいえ、ウエイトが高くなった協力者による投票が入らないネットからの投票では1位と、一般読者の支持の厚さは示した。11月下旬に発表となる『このライトノベルはすごい!2022』で「よう実」は何位になるか。変わらない人気ぶりを見せられれば、1期だけで終わってしまったテレビアニメの続編放送も見えてくるかもしれない。