BTS Vのレコメンドで話題! 韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』クォン・ラビンが語る、和製エンタメへの愛情

『家にいるのに家に帰りたい』著者に聞く

ジェンダーやハンディキャップなど、社会問題について綴った理由


——これまでに最も影響を受けた本を教えてください。

ラビン:一冊だけ選ぶのは難しいのですが……個人的にはロングセラーとなっている『ザ・シークレット』(ロンダ・バーン著)が好きです。わたしも有言実行を守る人であり、そんなふうに人生を送っているからです。

——執筆や読書をするときにどんなBGMを流していますか? 

ラビン:意外に思うかもしれませんが、わたしは読書や執筆をするときには、BGMをかけません。キーボードをたたく音以外に余計な生活音がある場合は耳栓をするほどセンシティブです。読書や執筆をするときは、本と文章に集中しなければと考えているからです。

——「幼いころの夢はシンガーソングライターだった」と韓国メディアのインタビューに答えていますが、音楽やエッセイで「表現してみたい」と思う原動力は何ですか?

ラビン:子どもの頃からシンガーソングライターを夢見ていたわたしは、作曲はできないけれど、作詞をしながら歌い続けてきました。いまは声帯に問題があるため歌えないのですが、いつか世界のステージに立って、みんなの心を抱きしめ、聴いた人が涙を流したり笑顔になったりする、そんな気持ちを歌詞と声で表現したいと思っていました。誰もが一度は経験するであろう記憶を歌いたかったんです。「わたしはこんな思い出があるけど、あなたはどう? 同じね。じゃあ、抱きしめてあげる」という気持ちから歌を作っていました。

——本文中でジェンダーやハンディキャップなどについて実体験を交えて考えを綴られていて問題意識の高さが伺えますが、現在ラビンさんが関心を寄せている社会問題は何ですか?

ラビン:さまざまな社会問題に関心があります。児童虐待、動物虐待、保護犬、保護猫、生活が困難な状況に置かれている人たちへの寄付、障がい者、LGBTQ、人種差別、北極の氷が解ける現象と環境問題など。わたしが本に社会問題を盛り込んだ理由は、たった一人が書いた文章でも、本が多くの人に広がれば、世の中が少しでも変わるのではないかと思ったからです。いまも社会・環境問題には関心が高く、自分でできることをしています。

——今後、どのような執筆・表現活動を展開される予定ですか? また、どのように年齢を重ねていきたいですか?

ラビン:30歳までは、たぶんウェブ小説と童話を書く予定です。その後、新しいエッセイや自己啓発書を出版したいと考えています。わたしは自分が書いた文章と本が、単に本を出版して終わりではなく、ドラマ化や映画化されることを心から望んでいます。文章を書き続け、韓国のみならず全世界が共感するロマンスファンタジー映画を作りたい。私の夢がそうだったように、夢は見たとおりに叶うはず。このままずっと夢の中で生き、その夢を現実にする魔法使いのように、変わらない心のまま、年齢を重ねたいです。変化があっても、わたしのピュアな創作の意図と固い決心、そして心が……変わらないように。

■書籍情報
『家にいるのに家に帰りたい』
著者:クォン・ラビン
イラスト:チョンオ
翻訳:桑畑 優香
定価:1320円(10%税込み)
発売中
出版社:辰巳出版(&books)
©TATSUMI PUBLISHING 2021.
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/16636895/

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