BTS Vのレコメンドで話題! 韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』クォン・ラビンが語る、和製エンタメへの愛情

『家にいるのに家に帰りたい』著者に聞く

『君と波に乗れたら』『さよならの朝に約束の花を飾ろう』を観て号泣

クォン・ラビンさん

——BTSのVがグラミーミュージアムのインタビューで『家にいるのに家に帰りたい』について言及したことを聞いたとき、どんな風に感じましたか?

ラビン:不思議なことにその日は早起きして家の掃除やペットの散歩、入浴などを終え、しばらく休憩して仕事を始めようとしたときに出版社から連絡をいただきました。なんというか、その日にかぎってやるべきことがスムーズに進むなか、さらに嬉しく良い知らせが届き、家の中で飛び跳ねながら声をあげました。BTSのVさまがどこにいらっしゃるのかわかりませんが、いつも心の中でお辞儀をしながら感謝の気持ちを表しています。身にあまる幸せです。宇宙の大スターがわたしの本について話をしてくださるとは……。ひたすら恐れ入るばかりです。今でも、その気持ちは変わりません。いつか直接感謝の気持ちをお伝えしたいです。

——日本から翻訳出版のオファーが来たとき、どう思いましたか? そしてなぜ韓国だけでなく日本でもヒットしたと思いますか? もちろんBTSの影響もありますが、今やARMYではない読者も多数手に取っています。

ラビン:日本語版のオファーの知らせを聞いたときは、すごく嬉しかったです。作家として初めての本ですし、自分の人生を盛りこんだ本が広く知られることを喜ばない人はいないでしょう。個人的な考えですが、ARMYではない方たちが読むのは、同じ東アジア文化圏だからかもしれません。日本と韓国は生活パターンも似ていますよね。子どもの頃に日本の漫画、本、カルチャーによく触れていて、「似ているな」と思っていました。今も日本の映画、小説、漫画が好きです。

——Instagramではジブリ映画や『美少女戦士セーラームーン』など、日本のアニメ作品についても言及されています。

ラビン:『美少女戦士セーラームーン』は一番好きな漫画です。日本の漫画とアニメが好きな理由は感情表現がとても繊細で、色彩豊かで、そして年齢関係なく誰もが共感できるから。作家として学ぶ点が非常に多いと感じます。大人になっても『時をかける少女』、『ハウルの動く城』、『おおかみこどもの雨と雪』、『君の膵臓をたべたい』等々、日本のアニメ映画が公開される度に毎回楽しみにしています。『クレヨンしんちゃん』と『名探偵コナン』の劇場版シリーズは新作上映の度に観ますし、何度も繰り返して観るほど好きです。

——最近観た日本アニメで印象に残っている作品は?

ラビン:『君と波に乗れたら』と『さよならの朝に約束の花を飾ろう』を観て、何度も号泣しました(笑)。今後の目標は、慣れ親しんだ日本のアニメのような含蓄のある、社会的な問題提起や批判精神に富んだ文章を書くこと。そして、作家の恋を「女性編」と「男性編」と二つの視点から描いたわたしの2冊目の著書『背を向けて横になり愛に寄りそう』(訳注:原題は「등지고 누워 사랑에 기대다」)が、日本でアニメ化や映画化されることです。

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