月刊オカモトショウ特別編 親友と語り合う、よしながふみ『愛すべき娘たち』の特別さ

オカモトショウが親友と語る、よしながふみ

 OKAMOTO’Sのオカモトショウがおすすめのマンガを紹介する「月刊オカモトショウ」。今回はOKAMOTO’Sメンバーの長年の友人であり、ライター・ラッパーとして活動している白石倖介(コース)氏がゲストとして登場! 祖母、母、娘の関係を軸にした名作『愛すべき娘たち』(よしながふみ)を二人のトークとともに紹介します。

ライブハウスの帰り道、語り合ったマンガ愛

――今回はゲストとしてライター・ラッパーの白石倖介(コース)さんに来ていただきました。ショウさんとは中学からの付き合いだとか。

オカモトショウ(以下ショウ):そうなんですよ。OKAMOTO’Sのメンバー全員と仲がいいし、その界隈ではラッパーとしても知られていて。何より、倖介には昔からいろんなマンガを教えてもらっていて、異常に詳しい(笑)。なので今日は、ぜひ一緒にマンガの話ができたらなと。

――学生時代から、よくマンガの話をしてたんですか?

白石倖介(以下白石):はい。高校生のときOKAMOTO’Sのライブで撮影とかを手伝っていたんですが、当時彼らがよく出ていたライブハウス(新宿red cloth)があって、僕とショウは帰り道がずっと一緒で。同じ電車に乗って、ライブの感想とか、「最近、こんなマンガ読んだんだけど」みたいな話をしていた思い出がありますね。

ショウ:倖介の家に遊びに行って、いろんなマンガを読ませてもらってたりね。俺はわりと最新のマンガが好きなんですけど、倖介はコミケや同人誌にも詳しくて。泊りがけでいろいろ教わったりしていました(笑)。

白石:そうね(笑)。うちは両親がマンガ好きで、僕も水木しげる、諸星大二郎、萩尾望都とかを読んで育ったんですけど、そんな家だから家族のなかで読むマンガの”担当”がなんとなくあって。過去の名作や現行の商業作品はすでに両親が掘っていたから、「だったら俺は同人誌だな」みたいな。

ショウ:確かに。

白石:マンガの世界って、80年代とかにめちゃくちゃすごいことが起きているじゃないですか。「『AKIRA』がヤングマガジンで連載していた」とか、僕達の世代はもう、憧れるんですよ。そういう、昔のシーンの話なんかもしながら盛り上がれるような友達ですね、ショウは(笑)。

ショウ:吾妻ひでおを教えてくれたのも倖介だしね。あと、高野文子の『黄色い本』を誕生日にプレゼントしてくれたり。

――素敵です。ここ数年のマンガ界はメガヒット作が次々と生まれ、活況を呈していますが、白石さんはどう見ていますか?

白石:そうですね……。少し話がズレちゃいますけど、去年と今年、コミックマーケットが開催されていないんですよ。僕は毎年、全日程で参加しているんですが、コミケって「今、コレが来ている」というのを肌で感じられる現場なので僕にとってすごく大事なんですけど、それができていないんですよね。なのでちょっとわからないところもあるんですけど、マンガを読んでいる人が増えたのかな、というのは感じています。

ショウ:わかる。「俺、マンガ読まないんだよね」みたいな人が減っている印象があるし、質の高い作品がちゃんとヒットしてるのもいいよね。なので、この連載も、「これも読んでみてよ。めっちゃ好きだと思うよ」みたいな気持ちで紹介していて。今回はせっかく倖介が来てくれているから、名作を取り上げたいんだよね。

白石:名作をドロップするわけね(笑)。

よしながふみ『愛すべき娘たち』の衝撃

――お二人が挙げてくれたのは、『愛すべき娘たち』。『大奥』や『きのう何食べた?』などのヒット作で知られる、よしながふみさんの2003年の作品です。

ショウ:最初に読んだよしながみふさんの作品は『大奥』で、『きのう何食べた?』も面白くて。『愛すべき娘たち』は、倖介の家で教えてもらったんですよ。読んでビックリしましたね。とにかくすごいマンガで、祖母、母、娘のそれぞれの愛の形を描いている全5話のオムニバス作品なんですけど、最後まで読むとすべての話がつながるんですよ。伏線回収みたいなことではなくて、それぞれの関係性や感情が伝わってきて、心を抉られます。

白石:僕、よしなが先生の作品が大好きなんです。よしながふみ作品には『西洋骨董洋菓子店』『大奥』『きのう何食べた?』など映像化されている作品も多いんですが、ぜひ原作を、マンガを読んでほしいです。『愛すべき娘たち』は第1話~第5話まではそれぞれが独立した物語なんですが、終盤になると物語のバトンが見える瞬間があって、全体のストーリーが立体的に表されていく。人と人の距離感のなかで、解決するのが難しいことだったり、時間の経過とともに互いの人生が離れてしまう様子が恐ろしい技術で描かれていて。

ショウ:うん、うん。



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