木暮がいなければ湘北の活躍はなかったーー『SLAM DUNK』影の功労者が成し得たこと
湘北高校バスケ部の副キャプテン、木暮公延。三井寿加入後はリザーブに回ることが多かった彼だが、湘北の躍進には欠かせない人物と称される。
そんな木暮の地味ながらも湘北高校バスケ部に大きな影響を与えた活躍を振り返ってみたい。
三井寿をバスケ部に戻す
不良とともに湘北高校の体育館に乗り込み、宮城リョータや桜木花道らと喧嘩を繰り広げた三井。
木暮は「もういい」と止めに入るが、三井に殴られてしまう。それでも木暮は「大人になれよ、三井」と注意し、体育館に赤木が現れると「三井はバスケ部なんだ」「俺たちの学年でバスケットをしていて、武石中の三井寿を知らないものはいなかったよ」と花道やリョータに三井の過去を明かす。
三井は膝の怪我や赤木の才能を目のあたりにしたことなどの過去を語られたことに激怒し、木暮を殴りつける。しかし全くひるまない木暮は「足はもう治ったんだろ。だったら、バスケをまた一緒にやろうよ」と呼びかける。
優しい言葉だったが、三井は「バカじゃねえの。昔のことゴタゴタ言うな」などと暴れまわる。すると木暮は「何が全国制覇だ。何が日本一だ。何が湘北を強くするだ。お前は根性なしだ三井。ただの根性なしじゃねーか。根性なしのくせに、夢見させること言うな」と一転して叱り飛ばした。
その後、体育館に安西先生が現れ、「最後まで希望を捨てちゃいかん。諦めたらそこで試合終了だよ」と声をかける。安西先生を慕っていた三井は「バスケがしたいです」と崩れ落ちた。(8巻)
高い才能を持ちながら、怪我もありバスケをすることをためらっていた三井。そんな彼を優しさと厳しさで再びバスケの世界に引き入れた木暮の行動は、湘北高校の躍進への大きな一歩となった。
陵南戦の3ポイントシュート
陵南高校と全国大会の切符をかけ戦った湘北高校。途中、三井が体力の限界を迎えてしまい、木暮がコートに入る。
試合終盤、ラスト1分というところで花道がボールを奪うと、フリーになっていた木暮にパス。赤木が「木暮、フリーだ打て」と絶叫すると、木暮は3ポイントシュートを放つ。
中学時代からこの試合までの回想シーンが展開されたあと、放ったボールはリングの中へ。木暮は「入った」と狂喜乱舞し、チームメイトも祝福した。
そして試合は陵南の反撃をしのぎきり、全国大会の切符を手にする。花道は殊勲者の木暮に「引退が延びたな」と声をかける。すると木暮は「泣かすなよ。問題児のくせに」とつぶやき、涙を見せた。(21巻)
三井入部後はリザーブに回っていた木暮だが、腐ることなく部をサポートしていた。そんな彼が初の全国大会出場を決定的にするシュートを決めたことに、感動する読者が多かった。