ミカサのそばにいる男は誰? 『進撃の巨人』ラスト16ページに残された“5つの謎”を考察

『進撃の巨人』5つの謎

謎その4:ミカサのそばにいる男性は誰?

 P.13からP.14の2コマ目までは、「その後のミカサの人生」が断片的に描かれているのだが、(絵だけで表現されているので正確なところはわからないが)どうやら彼女はある男性と結婚し、子孫を残すようだ。

 ちなみにこの男性、後ろ姿しか描かれていないので誰なのかははっきりとはわからないが、おそらくは、(背格好や後ろ髪から判断するに)ジャンだと思われる。

 きっと、あの世(あるいは「道」?)のどこかにいるエレンは歯がゆい思いをしながらも渋々認めていることだろうが、個人的には、「すべて」を受け入れているジャンの気持ちを思えば、(昔から高橋留美子の漫画が好きなもので……)『めぞん一刻』のある場面をつい思い出してしまう。そう――あの、「惣一郎さん」の墓に向かって、五代裕作が「あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます」という名場面だ。

 そういう意味でも(?)――もちろんファンの間でもさまざまな意見があることだろうが――私としては、エレンがいない以上、ミカサのそばにいてやれるのはジャンしかいないと思うのだが、いかがだろうか。

謎その5:最後のカットが意味するもの

 P.15~P.16で描かれているのは、誰だかわからない武装した子供(少年か少女かもわからない)が、廃墟の街を通り抜けて、巨木の前に辿り着く様子だ。

 ミカサの死後、再びエルディア国は戦争状態になり、かろうじてエレンの「仲間たちを守る」という想いは成し遂げられたものの(おそらくミカサ以外の仲間たちの多くも、新たな戦争の勃発を知らずに天寿を全うしたことだろう)、世界は再び「残酷さ」を取り戻していた。

 子供が辿り着く巨木とは、むろん、P.9以降繰り返し描かれている「エレンの木」が成長した姿である。そして、最後の最後――P.16で描かれている、その木の前で子供が佇んでいる1ページ大のカットは、ほとんど、第122話で始祖ユミルが「大地の悪魔」と契約した時のカットの引き写しだといっていい。

 そう、つまりこの「ラストシーン」が何を示唆しているのかといえば、それはもちろん、武装した子供が「進撃(始祖)の巨人=エレン」と契約することで訪れる、新たな「巨人の時代」の幕開けであろう。

 とはいえ、先に述べた「ミカサ・ループ説」のケリのつけ方もそうだが、私は、この『進撃の巨人』という物語は、決められた未来を変えていく人たちの強さを描いているのだと常々思っている。そういう意味では、一見不吉きわまりないこの最後のカットも、それほど暗いものではないといっていいかもしれない。

 以上、やや駆け足ではあったが、『進撃の巨人』のラスト16ページについて自分なりに考察してみた。もちろんこれが“正解”だなどというつもりはまったくないので、読者のみなさんも、これらの謎が散りばめられたエピローグについて、それぞれ考えてみられるといいと思う。

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