【漫画】クラスの隠キャがK-POPアイドルに!? 話題作『ガールクラッシュ』“女の子たちのぶつかり合い”が熱い

【漫画】『ガールクラッシュ』インタビュー

影響を受けた作品

――タヤマさんが漫画を描くうえで影響を受けた作品や、子どもの頃にハマっていた作品は何ですか?

タヤマ:絵の憧れでいうと高野文子先生ですね。線が少ないのに奥行きがあってリアリティを感じる絵柄に憧れて、私も高野先生のような表現力を身に付けたいと思っていました。子どもの頃にハマった漫画は『少年アシベ』(集英社)や『クレヨンしんちゃん』(双葉社)。1話完結型で読める作品をよく読んでいた記憶があります。

――それでいうと本作も続きものではありますが、1話ごとにちゃんと起承転結があって、どの話から読んでも楽しめる作品になっているように感じました。

タヤマ:担当さんにも「1話読んだだけで満足感が得られるように描いてほしい」とよく言われるんです。毎話16ページ前後で描いているので、最初は内容によってキリよく完結させるのが難しいこともありましたが、徐々にペースを掴んでいきました。やはり、ページ数が足りないからといって次回に持ち越してしまうと、ひとつの展開として読み応えが半減してしまう気がしますし、結局今回は何の話だっけ?と混乱を招きかねません。1話のなかでひとつのテーマを完結させることもまた、読みやすい作品にするうえで大切な心掛けだと実感しています。

――ちなみに、映画やドラマなど、映像作品からの影響は何かありますか?

タヤマ:古い映画ですが、アメリカ映画『風と共に去りぬ』に出てくるスカーレット・オハラというヒロインが私にとっての理想のヒロイン像です。ワガママで身勝手なところはあるものの、とても逞しくて芯が強い女の子で。K-POPのギラギラした世界観にハマったのも、彼女のようなヒロイン像に重なったからかもしれません。どれほど辛い目にあってもめげない力強さは、見ていて清々しい気持ちになりますし、好きですね。

――本作にも芯が強いキャラクターが多く登場しますし、タヤマさんも、本作中の彼女たちを甘やかすことなく試練を与えていますよね(笑)。

タヤマ:自分で描いていながら、彼女たちがどう辛い状況を乗り越えていくのかを見ていたい気持ちがあるんですよね。これからもどんどん難題を与えていくつもりです(笑)。

――今後の展開がとても楽しみです。最後に、本作を通して読者に伝えたいことは何ですか?

タヤマ:「自分を幸せにできるのは自分」ということですかね。幸せは誰かから与えられるものではなく、自分で掴み取っていくものなんだと、若い女の子に伝われば嬉しいです。今年5月に発売された単行本一巻(電子限定)には、まだそういったメッセージをのせた話は収録されていませんが、今後は、力強く生きる“ガールクラッシュ”な女の子たちのぶつかり合いをもっと描いていく予定です。ぜひ、楽しみにしていてください。

■書籍情報
『ガールクラッシュ(1)』(コミックニコラ)
タヤマ碧 著
価格:605円(電子書籍)
出版社:新潮社

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