もう頑張れない日の処方箋 猫のミィちゃんが教える「がんばらない生き方」

猫が教える「もう頑張れない」日の処方箋

 頑張らないことを頑張ろう――。そう思っても、限界だと叫ぶ心に蓋をし、ムチを打ちながら頑張らなければいけない日もある。なんのために、誰のために頑張っているのだろう……。そんな問いをひとり、心の中にしまい込んで笑顔を張り付ける日だってある。

 そんな辛い日、心に寄り添ってくれるのが『ミィちゃんは今日もがんばらない』(esk/亜紀書房)という猫漫画。作者のesk氏は、インスタフォロワー数7万人越えの人気イラストレーター。温かみのある作品を多数披露し、ファンの心を掴んでいる。

 本作の主人公は「がんばらない」を座右の銘にしている猫のミィちゃん。ミィちゃんは作中で様々な名言を口にし、張り詰めた心を楽にしてくれる。

 名言と聞くと、堅苦しかったり、妙に感動的だったりするのでは……と思う方もいるかもしれないが、ミィちゃんが口にする言葉はストレートで、クスっと笑えるユーモアが含まれているため、心に染み入りやすい。飾り立てない等身大の言葉で「もう頑張れない日の私」を包み込んでくれるのだ。

「がんばらない自分」を許せるようになるミィちゃんの名言

 特に印象的だったのが、会社を休んでしまった人に向けた名言。体調不良などで欠勤してしまった日は複雑な感情がこみあげてくることも多い。自分がいなくても会社という組織がまわっているという事実に、なんとも言えない寂しさを感じ、「私の価値ってなんだろう」と思ってしまうこともあるものだ。

 そんな自己卑下に対してミィちゃんは、違った視点を踏まえたフォローをくれる。

あなたがもし一日でも休むと会社は倒産し 世界的大不況の引き金となります!!…っていう状況よりよくない?

 自分がいることでまわる世界があるのと同じくらい、私という存在がいないことでまわる世界があることも大切なのだと気づくと、罪悪感や虚しさがほぐれ、心が楽になる。

 また、ミィちゃんの自己肯定感の高め方も興味深い。でべそかわいい。ぷよぷよのおなかがきもちいい。きょうもよく寝た、えらい!ミィちゃんは、そんな言葉で自分を褒めちぎる。なぜなら、自分だけは自分の味方でいてあげたいから。この理由を目にして、ハっとした。私はいつの間にか自分自身を敵視し、責め抜いてはいないだろうか……と考えたくなったのだ。

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