忌野清志郎の言葉はどこを抜き出してもカッコいいーー時代を越える名言に触れる『使ってはいけない言葉』

『使ってはいけない言葉』に見る清志郎の生き様

 『使ってはいけない言葉』には、こんな言葉も掲載されている。

みんな40代(編者註=1996年当時)のやつらは全部さ/「俺はビートルズとリアルタイムだ」とか言ってるけどさ、ふざけんなだよ、ほんとに。/ぶっとばしてやろうかと思うよ、俺(笑)。/ほんとにそうだったらああいうふうになってないって、今の40代は。/こういうふうになってませんよ/今の世の中は。

 この文章は、“ビートルズ”を“忌野清志郎”に替えても完全に成り立つ。清志郎の音楽や言葉に影響されたすべての人が、そのときの気持ちを抱えたまま大人になっていれば、今の世の中は、こんなふうになっていない。『使ってはいけない言葉』というタイトルはもちろん皮肉だろう。この本を手にして、感じることがあった読者は、清志郎の言葉を実際に使っていくべきなのだから。清志郎はこんなふうに歌っている。「おとなだろ 勇気を出せよ」(『空がまた暗くなる』)と。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■書籍情報
『使ってはいけない言葉』
忌野清志郎 著
価格:1300円+税
出版社:百万年書房
公式サイト

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