アニメ『BNA』の世界はどのように生まれた? 前日譚『BNA ZERO』で明かされる、士郎とロゼ市長の過去

アニメ『BNA』の世界はどのように生まれた? 前日譚『BNA ZERO』で明かされる、士郎とロゼ市長の過去

 伊瀬ネキセは、同じダッシュエックス文庫でアニメ映画『HELLO WORLD』のスピンオフにあたる『HELLO WORLD if ――勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする――』も刊行している。『タイタン』の野﨑まどが手がけた脚本や原作小説では、ヒロインに比べて存在感が希薄だった勘解由小路三鈴という少女が、過去を変えようとあがく主人公を支える重要な役割を果たしていたというストーリーを作り出し、世界設定を押し広げた。

 作品世界を拡張するスピンオフ小説といえば、『週刊少年ジャンプ』での連載が終了した吾峠呼世晴の漫画『鬼滅の刃』を原作に、JUMP j BOOKSから刊行されている矢島綾のシリーズがある。『鬼滅の刃 しあわせの花』では、竈門炭治郞や禰豆子、我妻善逸、嘴平伊之助、栗花落カナヲといった同期の面々が、それぞれに抱える過去や思いなどが描かれた。第2弾『鬼滅の刃 片羽の蝶』では、悲鳴嶼行冥や胡蝶しのぶ、甘露寺蜜璃、富岡義勇ら柱の面々が登場して、本編にもつながる関係などを見せてキャラクターへの理解を深めてくれた。

 7月3日には第3弾となる『鬼滅の刃 風の道しるべ』が刊行。不死川実弥と粂野匡近との友情や鬼との死闘、伊之助とカナヲの友情秘話などが描かれるということで、連載終了の前後から大量に発生している“鬼滅ロス”の人たちを引きつけそう。作品の世界をしっかりと守りつつ、広げ深めてファンを喜ばせるスピンオフ小説戦略を進める集英社編集の仕事ぶり。それはもちろん、『BNA ZERO ビー・エヌ・エー ゼロ まっさらになれない獣たち』にもしっかりと反映されている。

■タニグチリウイチ
愛知県生まれ、書評家・ライター。ライトノベルを中心に『SFマガジン』『ミステリマガジン』で書評を執筆、本の雑誌社『おすすめ文庫王国』でもライトノベルのベスト10を紹介。文庫解説では越谷オサム『いとみち』3部作をすべて担当。小学館の『漫画家本』シリーズに細野不二彦、一ノ関圭、小山ゆうらの作品評を執筆。2019年3月まで勤務していた新聞社ではアニメやゲームの記事を良く手がけ、退職後もアニメや映画の監督インタビュー、エンタメ系イベントのリポートなどを各所に執筆。

■書籍情報
『BNA ZERO ビー・エヌ・エー ゼロ まっさらになれない獣たち』
原作:アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』
監修:中島かずき
小説:伊瀬ネキセ
デザイン監修・イラスト:TRIGGER
出版社:株式会社 集英社
定価:本体690円+税
http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631364-3

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