東村アキコが語る、WEBTOONで表現する“30代の恋” 新連載『私のことを憶えていますか』インタビュー

東村アキコが語る、WEBTOONで表現する“30代の恋” 新連載『私のことを憶えていますか』インタビュー

 人気マンガ家の東村アキコが、電子マンガ・ノベルサービス『ピッコマ』にて、4月29日より新連載作『私のことを憶えていますか』の独占配信をスタートした。『美食探偵 明智五郎』では「食」、『東京タラレバ娘』では「女子会」、『海月姫』では「オタク女子」など、時代に寄り添った切り口でストーリーを紡ぎ、映像化されてきた東村作品。今回、『私のことを憶えていますか』で描くのは「初恋」だ。

 主人公・遥はゴシップニュースを配信するWEBライター。30歳の誕生日に、憧れの俳優・SORAの熱愛が発覚。ショックを受けながらも記事をまとめようとしていたとき、気心知れた同僚から、これまで好きになった芸能人たちの顔が似ていることを指摘される。無意識に、初恋のあの子に似ている顔を好きになっていることに気づいた遥。しかし、当時小学生だった遥は、3歳年下のあの子への想いを、周囲にからかわれるのが怖くて隠していたのだった。大人になった今、その程度の年の差なんて大したことじゃなかったと悔しく思う遥。そして“彼も私のことを憶えているかな“という気持ちが膨れ上がっていって……。

 自分の恋愛のルーツともいえる「初恋」。その記憶を遡っていく物語を、WEBTOON形式で描いていく。WEBTOONとは、韓国発のオールカラー縦読みのデジタルコミックで、東村は2019年に『偽装不倫』で韓国WEBマンガ市場に進出した初の日本マンガ家でもある。本作も、日韓同時連載となり、国境を超えて支持を得る作品となりそうだ。

 今回、新連載をスタートさせたばかりの東村に、本作が生まれた背景やWEBTOONでの作品づくりについてインタビュー。また、恋愛ストーリーを多く手がけてきたからこそ感じる“30代の恋愛“について聞いた。(佐藤結衣)

初恋は世界共通のテーマになる

――今、初恋をテーマにした作品を生み出そうと考えたのは、何かキッカケがあったのですか?

東村アキコ(以下、東村):先日、ふとしたきっかけで小学生時代の初恋の記憶が蘇ってきたんです。その関係で、地元の友人と思い出話をしていたら、結構みんな初恋って憶えているんだなと思って。初恋は世界共通のテーマになるなと思って、描くことにしました。

――主人公・遥の職業がゴシップニュースライターで、今っぽさを感じました。どういったところからキャラクターを作り上げているのでしょうか?

東村:私が、よくゴシップサイトを見ているのと、知り合いにゴシップライターが何人かいるので、取材しやすそうだなと思って、この職業にしました。ライターさんっぽいファッションや髪型を参考にしています。忙しくて、なかなか美容室やお買い物に行けない女の子が多いイメージですね。

――東村さんの作品といえば、お父様がタイトル案を出されることもあるとお聞きしました。本作のタイトルはどなたの案でしたか?

東村:今回は自分で考えました! もっとひねったタイトルもいろいろ考えましたが、今回は日韓同時連載ですし、各国に翻訳するとなるとシンプルなほうがいいと思い、これにしました。タイトルというのは、トリッキーなものもカッコいいし、英語でもカッコいいし、主人公の名前が入ってるものもいいというジンクスもあるのですが、最初に思いついたこの普通のタイトルがどうしても頭から離れず、この作品のテーマそのものでもあるので……。

――本作では初恋の男の子からもらったスーパーボールが、キーアイテムとして登場します。なぜスーパーボールになったのでしょうか?

東村:小学生の時、お祭りでキラキラしたスーパーボールが欲しくてたまらなかった自分自身の記憶をもとにしている部分も大いにあります。大人にとってみたら100円程度のオモチャ、でも子どもにとってみたら宝石のようなスペシャルな宝物って、スーパーボールしかないなと思ったからです。韓国でもスーパーボールって流行ったのか気になって、韓国スタッフに聞いたところ「韓国でも子どものころみんな持ってた」と聞いて、このアイテムがぴったりだなと思いました。

WEBTOONの自由な表現に酔いしれて筆も進みます

――今回は誌面ではなくWEBTOONでの連載ですね。誌面での創作との違いはありますか?

東村:大きな違いはオールカラーという点です。誌面だと白黒表現になるので、別の緊張感があって楽しいですが、WEBTOONならではのカラーでしかできない表現がたくさんあるので!

――スーパーボールのキラキラがすごく効果的に描かれていると感じました。

東村:カラーにしかできない表現がたくさん使えるので本当に最高です。自由な表現に酔いしれて筆も進みます!

――縦読みのスクロール式なので、空間で間を表現されているのが際立っていますね。

東村:縦読みのほうがストーリーも作りやすいですし、自分の作風にもすごく合っていると思います。

――「こういう絵を描きたい」というイメージからマンガを作り上げていくというお話をお聞きしましたが、本作ではどのような絵を描きたいと思われましたか?

東村:今回は記憶の中、回想シーンが多いマンガなので、ノスタルジックな画面作りを意識してます。あと男性キャラクターを、いつも以上にイケメンに描こうと頑張ってます。

――東村さんの作品といえば、本編に加えてあとがきが人気ですね。

東村:海外の読者の方にも喜んでもらえるなら、ぜひ書き下ろしのおまけも描いてみたいです!

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