『鬼滅の刃』”恋柱”甘露寺蜜璃の強みは惚れっぽさ? 柱たちの心を照らす唯一無二の存在

『鬼滅の刃』”恋柱”甘露寺蜜璃の強みは惚れっぽさ? 柱たちの心を照らす唯一無二の存在

 吾峠呼世晴の『鬼滅の刃』には、炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、伊之助という主要キャラ4人のほかに、「柱」と呼ばれる9人の魅力的な剣士たちが登場する。鬼狩りの組織「鬼殺隊」隊士の最高位である彼らは、それぞれ、「日の呼吸」を起源とする「水の呼吸」や「炎の呼吸」といった独自の呼吸法と、名匠たちが鍛え上げた「日輪刀」という刀を操り、鬼舞辻無惨配下の鬼どもを狩っている。

甘露寺蜜璃の強みは「惚れっぽさ」?

 9人の「柱」たちには、それぞれの呼吸法にもとづいた肩書きがついており、たとえば「水の呼吸」の遣い手は「水柱」、「炎の呼吸」の遣い手は「炎(えん)柱」と呼ばれている。基本的にはいま挙げたような水や炎、あるいは風や岩といった自然の力をもちいた呼吸法が多いが、中には「恋」という、敵を倒す技としてはかなり異質な呼吸法を遣う者もいる。

 それが「恋柱」の甘露寺蜜璃である。常人の8倍の筋肉の密度を持つ甘露寺蜜璃は、極めて薄く柔らかい、「長刀」というよりはほとんど「鞭」といっていいような奇怪な日輪刀を自在に操る。かつて、その「体質」のせいで見合いを断られ、恋愛に対して疑問を持つようになった彼女の鬼殺隊入隊の動機はなんと、「添い遂げる殿方を見つけるため」。そのせいか、「カッコイイ」と思う相手に対しては、(同性の胡蝶しのぶに対してまで)いちいち「キュン」ときたりしているが、この「惚れっぽさ」こそが、彼女の最大の強みなのかもしれない(そのわけについてはのちほど書く)。

 また、とにかく明るい性格の持ち主で、実はそれ自体が隊のためになっているともいえるだろう。なぜならばほかの「柱」の多くは、過去に大切な人を鬼に殺された辛い過去を持っており、そうした人間は必然的にどこか暗い性格にならざるをえない。そんななか、底抜けに明るい、そしていい意味で「普通の」女性である彼女の存在は、ほかの「柱」たちのともすれば暗くなりがちな心を照らす、あたたかい陽の光のようなものだといっていい。

『鬼滅の刃(12)』

 蜜璃が最初に活躍するのは、コミックスの12巻から15巻――上弦の鬼の「半天狗」と「玉壺」が刀鍛冶の隠れ里を急襲した際の戦いにおいてである。この戦いに途中から加わった彼女は、半天狗の分裂体「憎珀天」の攻撃におされ、気を失って一瞬走馬灯を見る。だが、そのとき、炭治郎たち後輩が命がけで助けに入ることで、意識を取り戻す。炭治郎は叫ぶ。「甘露寺さんを守るんだ!! 一番可能性のあるこの人が希望の光だ!!」。

 この言葉が蜜璃に勇気を与え、彼女はいままで以上の壮絶なパワーを出して、憎珀天と対等の戦いを見せていく。さらに「始まりの呼吸の剣士たち」と同じ、伝説の“痣”をも首に出現させるのだった。いずれにしても、このときの彼女の強さの原動力になったのは、「柱」である自分を守るなどといっている愛しい後輩たちを逆に守らないといけないという強い想いであり、この、「誰かを愛しく想う」という、人間であれば誰しも持っている感情を戦闘の技に転じることこそが、「恋の呼吸」の極意なのではないだろうか。そう、先ほど「惚れっぽい」と蜜璃のことを評したが、それは別に悪い意味でいったのではなく、彼女がすぐに誰かに「キュン」となるのは、それだけ数多くの人を守りたいと思っている「大きな愛」の表われだといっていいだろう。

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