新型コロナウイルス休校措置に出版界からの支援続々 「子どもたちにとって新しい出会いや発見の時期に」

新型コロナウイルス休校措置に支援続々

 新型コロナウイルス休校措置への配慮として3月2日以降、集英社、小学館、KADOKAWAなど大手出版社が続々とコンテンツを無料公開してきた(参考:『週刊少年ジャンプ』から『ベツコミ』まで、新型コロナウイルス休校措置に各出版社がコンテンツ無料公開)。3月6日現在、さらにいくつかの出版社がコンテンツの無料公開をしているので、版元のコメントとともにまとめて紹介していきたい。

朝日新聞出版

 累計900万部「科学漫画サバイバル」シリーズの無料公開に踏み切ったのは朝日新聞出版。コミックサイト「ソノラマプラス」(http://sonorama.asahi.com/)上で毎週1冊ずつ公開するという。会員登録などは不要で、誰でも読むことができる。また、科学まんがシリーズ「バトル・ブレイブス」も同時に1冊ずつ公開される。

 第1弾として3月3日から10日までの期間は「科学漫画サバイバル」シリーズでもっとも売れている『深海のサバイバル』および『バトル・ブレイブスVS.最恐ティラノサウルス[恐竜編]』を公開。今後の公開スケジュールや閲覧URLは科学漫画サバイバルの公式HP(https://publications.asahi.com/original/shoseki/sv/)および公式Twitter(@kagakusurvival)等で発表される。

■朝日新聞出版コメント

子どもたちにとって行動が制限されてしまうこの1カ月は、我慢を強いられることが多い期間だと思います。ただ読書している間は、思いっきりのびのびと心を動かして楽しんで欲しい。この休校の期間そして春休みが、子どもたちにとって新しい出会いや発見の時期であることを願っています。
新型コロナウイルスが一日も早く収束し、子どもたちの健康と安全が確保されることを願うとともに、闘病中の方々のご回復を心からお祈り致します。

誠文堂新光社

 創刊96年目を迎えた小中学生向けの月刊科学雑誌『子供の科学』のバックナンバーの無料公開を始めたのは誠文堂新光社。姉妹誌である月刊誌『天文ガイド』2020年1月号もあわせて公開。さらに、2016年12月号に掲載された特集「ミクロの世界の脅威をあばくウイルスの正体」も特別公開している。ウイルスと人間の関係性を解説したこの記事は、さまざまな情報に正しく向き合うための基礎知識となる。『子供の科学』2020年5月号(4月10日発売)では、新型コロナウイルスの特集記事が掲載予定だ。

『子供の科学』無料公開特設サイト(無料公開期間:2020年3月5日~4月5日)
https://www.kodomonokagaku.com/20200305

■『子供の科学』編集長・土舘建太郎コメント

編集部は子供たちに科学のおもしろさを伝えるとともに、偏った情報に振り回されず、科学の裏づけがある情報を見極めて、冷静に行動ができるようになってほしいと思っています。

秋田書店

 秋田書店では、「マンガクロス」(https://mangacross.jp/)にて、『週刊少年チャンピオン』1号から12号まで全10冊分の無料配信を開始した。『週刊少年チャンピオン』では映画化が決定した『弱虫ペダル』『あっぱれ! 浦安鉄筋家族』が連載されている。1号からはじまった、テレビ番組『水曜どうでしょう』とのコラボで話題を集めている『水曜どうでしょう~大泉洋のホラ話~』の連載はこの機会にまとめて読むことができる。期間は3月末までとされている。

■週刊少年チャンピオン編集部コメント

学校が臨時休校になった小中高生の皆様をはじめとして、外出が困難な一人でも多くの方々に「週刊少年チャンピオン電子版」を楽しんでいただき、少しでも笑顔をお届けすることができましたらと思います。
元気溢れる週刊少年チャンピオン作品で未来ある皆様のお力になれますように。

白泉社

 白泉社は電子書店「白泉社e-net!」(https://www.hakusensha-e.net/store/special/200305maga)上で、『花とゆめ』と『LaLa』二誌の電子版を3月5日から4月2日まで無料公開する。『花とゆめ』の誌上では『暁のヨナ』『ラブ・ミー・ぽんぽこ!』、『LaLa』では『夏目友人帳』などの連載を楽しむことができる。

■白泉社コメント

日頃のご愛読に感謝し、全国の学生の皆さんに、わずかでも寄り添い、心の支えになりたいと思いまして、電子書店「白泉社e-net!」で、発売中の以下の雑誌を3月5日から4月2日まで無料公開いたします。このような事態がなるべく早く終息して、学生の皆さんには、楽しい新学期を迎えられることを切に願っております。

ベネッセ

 進研ゼミを運営するベネッセでは、自宅学習教材・サービスの無償提供を開始した(https://www.benesse.co.jp/zemi/homestudy/)。通常は進研ゼミ会員限定の「電子図書館 まなびライブラリー」も期間限定で一般公開。岩波書店の少年文庫シリーズやジュニア新書の一部、学研プラス「10歳まで読みたい」名作シリーズや、ポプラ社『お任せ! 数学屋さん』など書店でも人気の児童書が公開されているので、この機会にぜひ読んでみてはどうか。

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