ずん飯尾「すぐにスベるから、すぐに初心に戻れる」 初エッセイ『どのみちぺっこり』執筆を語る

ずん飯尾、初のエッセイ執筆について語る

 「ぺっこり45 度」「よろけたついでに由美かおる」など、独自の世界観でギャグを繰り出し続ける、お笑いコンビずんの飯尾和樹がエッセイ集『どのみちぺっこり』を発売した。テレビで見ない日はないほど活躍している飯尾がいつも謙虚な理由や、相方への思い、書籍で書かれたコンプレックスについての考え方など、改めて訊いた。(編集部)

相方が原稿のチェックも

ーーどうしてエッセイを書こうと思ったのですか。

飯尾:文章を書くことは得意ではなかったんですが、執筆の依頼をしてくれた編集さんの人当たりが良かったので引き受けました。毎回打ち合わせのたびに美味しいおやつを用意してくれていたんで……じゃあって(笑)。

ーーどのように書いたのですか。

飯尾:執筆は行きつけの喫茶店でしていました。全編通して書いてみて、それを読み返して、また書き直してという作業を何度も繰り返しました。表現とか結構細かいところまでこだわって書いたんです。相方のやすに原稿を読んでもらうこともありました。

ーーそうなんですね。やすさんからはどんなことを言われましたか。

飯尾:「ここはまとめた方がいいんじゃない」とか「ここ意味わかりづらいな」っていうアドバイスもくれましたし、「字が違ってるよ」って直してくれたりもしました(笑)。

ーー的確なアドバイスをくださったんですね。

飯尾:やすは漢字博士だし、本を読むのが好きなんですよ。この前は日本経済の本を読んでいて、「意味わかるの?」って聞いたら「全くわからない」って言ってましたけど(笑)。字を追うのが好きみたいで、昔からよく本を読んでました。

ーーやすさんとのエピソードは書籍でもかなり書かれていますよね。

飯尾:コンビを組む前から仲が良いんです。この世界に入って2年後に、後輩としてやすが入ってきました。やすが公園でネタの練習をしていたら、“都会で夢を追う若者たち”っていうテレビ番組の企画に密着されることになり、沢山のカメラを引き連れてネタ見せ会場に入ってきたことがあったんです。「なんだあいつら」ってざわついたのが最初の出会い。その頃からずっと一緒にいるので、どうしても登場してきちゃうんです。

ーーインパクトのある出会いですね。

飯尾:そうなんです。当時からほんとに面白いやつで、月初めには1日が給料日の人のところに行って一週間くらい過ごして、次は15日が給料日の人のところに行って過ごして、俺が給料日だった25日には俺のところに……って遊牧民族みたいに渡り歩く生活をしていました。自分にお金があるときは全然寄ってこない(笑)。それでも飲みに行くとなると誰からともなく「やすは何やってるんだ」って名前が挙がる人望がありました。

ーーやすさんや、他の芸人さんたちからは読んだ感想をもらいましたか?

飯尾:やすは「面白い」って言ってくれていますし、関根(勤)さんからはメールをいただきました。結構出川(哲朗)さんについて書いていたので、気にしていたのですが、どうでしたか? と伺ったら「面白かったよ」って言ってくれてほっとしました。キャイ~ンのウド(鈴木)は「また買いました」って報告があって、なぜか2冊も買ってくれています(笑)。

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