Crossfaith「“バンド辞める”って決断をしなくてよかった」 最大のミッション、幕張メッセ初日ワンマンを観て

そして、何よりのサプライズは、新曲「TERRITORY」だ。ミドルテンポのグルーヴィーなパートとバキバキのEDMパート、ヘヴィなブレイクダウンが渾然一体となって襲いかかる脅威的な一曲で、『AЯK』からさらにレベルアップしたCrossfaithが刻まれていた。Koieが自信満々に「超ハイパーやろ?」と言っていたのも頷ける。
この曲のあとに設けられたメンバー全員のMCタイムからも、現在のバンドのベストコンディションぶりが伝わってきた。しかし、それは苦難の期間を乗り越えたからこそのもの。アンコールではサークルピットが続々生まれた「Monolith」を経た最終局面で、Koieは「正直、一昨年前は、新しい曲を作ってステージに帰ってくるような状況じゃありませんでした」と赤裸々に語った。
「活動休止から復活する時に立てた目標が、幕張メッセでのワンマン、そして明日のフェスでした。この2年、俺たちは、自分たちが何かをしたい、もっといい曲作りたい、もっといいライブしたいと思える欲望、なんか熱くてドロドロした情熱を探してたんだと思います。今、このステージに立って、その想いが現在進行形で大きくなっています。でも、今回はソールドアウトできなかった。今すっげえ楽しいし、超ヤバい瞬間が作り上げられてるんやけど……俺はまだ悔しいです。Crossfaithみたいな、クソヘヴィで、超頭のイカレた音楽が、この幕張メッセをライブでブチ壊す瞬間をおまえらと一緒に見るまで、俺は死ぬことができません。俺たちが持ってる熱くてドロドロした欲望を叶えるために、この先もおまえらと進んでいきたい。ついてきてくれますか!」

「これは俺たちCrossfaith第2章の幕開けでしかないです」と堂々締め括り、ラストにピースフルなエネルギーが溢れる「Afterglow」「Canopus」が投下された。〈This is where I belong/We’re screaming loud until the break of down〉と熱い誓いが歌われる「Canopus」でこの日最大のシンガロングが巻き起こり、サークルピットを駆け回る観客もすべてを出し尽くす勢い。灼熱の空間に金テープが舞い、きらびやかなフィナーレを迎えた。
「“バンド辞める”って決断をしなくてよかった。こんなん辞めれるわけないやんけ!」という言葉を残し、晴れやかな表情でステージを降りたKoie。Kazuki、Teru、Tatsuya、Daikiもお互いを讃えながら満面の笑顔を見せ、オーディエンスからの拍手喝采を浴びていた。翌日は『HYPER PLANET 2025』主催者として幕張メッセに立ち、海外勢、先輩、後輩、盟友たちとともに饗宴を繰り広げたCrossfaith。2日間の熱を糧に、ますますブーストをかける彼らの快進撃に期待したい。

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