LUNA SEA、GLAY、PIERROT、DIR EN GREY……“食レポ”から“母親登場”まで ベテランV系がYouTubeで見せる素顔

 今年2月、LUNA SEAのギタリスト・INORANがYouTubeチャンネル「InoTube」を始動して話題となった。第1弾企画として、東京ドーム公演を控えたリハーサルスタジオでの機材紹介動画を公開。愛用しているピックやアンプの説明から、ギターの音作り、こだわっているポイントまで語る内容は、ファンのみならずプレイヤー目線で見ても楽しめるものになっている。

【本邦初公開】INORANのLive最新システム、見せます!

 INORANは、番組を始める理由として「音楽って、文字や写真だけじゃ語れなくて。だから、動画を中心としたメディアで、自分の声でいろいろ伝えていけたらいいなと思って」(※1)と話していた。近年、レシピブック『INORAN KITCHEN』(主婦の友社)の刊行や、フリーマガジン『ADVENTURE KING』(Juno Japan)と立ち上げたINORANの心の羅針盤を頼りにこの地球で宝探しをするという企画「イノランクエスト」(INORAN QUEST)では刀鍛冶に挑戦(!)するなど、さまざまな分野に飛びこんでいるINORAN。パブリックイメージを自ら打開し、ジャンルを超えて受けた刺激が今後彼の音楽に還元されていくに違いない。

 音楽家にとってパブリックイメージは時に枷となるが、ギャップを逆手に取れば珠玉のエンタメとなる。特にヴィジュアル系シーンのアーティストはミステリアスなイメージが強いゆえに、動画チャンネルで見せる意外な素顔が新たな魅力を生み、バンドを知る入口になることも少なくない。

 その筆頭と言えば、LUNA SEAのもうひとりのギタリスト・SUGIZOだ。2018年から続く「SugizoTube」では、音楽にまつわる企画はもちろんグルメ企画が注目を集め、彼が愛するラーメン店・天下一品の京都本店を訪れる動画は100万回以上の再生を記録。今やテレビのバラエティ番組でも存在感を発揮し、アーティストとしてのカリスマ性を保ちながら新境地を開拓している。昨年には、さまざまなジャンルからゲストを招いてトークする「S.M.CoreTalk」という対談企画も始動。「S.M.CoreTalk Vol.11」では、『The Millennium Eve 2025』における25年ぶりの東京ドームでの共演を前にGLAYのTAKURO(Gt)をゲストに迎え、両者の歴史と絆を感じるトークを繰り広げた。

SugizoTube「天下一品 in 京都」
SOUL'S MATE Presents「S.M.CoreTalk」Vol.11 #1 〜ゲスト:TAKURO (GLAY)〜

 GLAYでは、ギタリスト・HISASHIがネット番長を担う。「HISASHI TV」というオフィシャルチャンネルには、生配信を中心に“弾いてみた”動画や料理などカジュアルな企画が満載だ。GLAYのメンバーが出演することも多く、特に人気なのが「カタカナ禁止飲み」。2021年に新春企画として始まったもので、タイトルどおり「お酒を飲みながらカタカナ言葉を使ったら罰金」というバラエティ色の強い企画なのだが、とにかく4人の仲の良さが堪能できる動画になっている。メンバー同士の仲がいいのは知りつつも、まさかここまでとは! と驚いた人も多いかもしれない。

【第四回】HISASHI TV THE LIVE 特別編 新春初笑い「笑ってはいけないカタカナ禁止飲み」

 バラエティノリを嫌がることなく、最初に細かいルールを決めるだけで爆笑の渦。第4回ではカタカナ禁止に加えて“笑ってはいけない”要素が加わったところ、開始数秒で笑いが起き、HISASHIが「この設定、無理かも(笑)」とこぼす始末である。メンバーだけで向かい合ってこれだけ和気藹々と盛り上がれるロックバンドも珍しいけれど、その信頼関係やほっこりした温かさが軸にあるからこそ、GLAYの音楽は心に響くのだろう。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる