Crossfaithが提示したラウドロックの未来 五感を刺激する極上のエンターテインメントを見た

Crossfaith、ライブバンドとしての強靭さ

 ライブであり、ショウであり、最狂のエンターテインメントであり、まるでSF映画でも観ているよう。この規模にこの内容を詰め込むのか! という驚きを含め、本公演を目撃した日本のファンは本当に恵まれていると思う。Crossfaithが現時点で出来うる最大級のパフォーマンスを目撃した、という衝撃と余韻からいまだに抜け出せない。

 Crossfaithは昨年8月にアルバム『EX_MACHINA』を発表し、それに伴い9月からイギリスやヨーロッパを回る『World Tour 2018』17公演を皮切りに、『World Tour 2018 : JAPAN』12公演を通過し、『World Tour 2019 : ASIA』6公演と世界中を駆け巡り、その長きに渡るワールドツアーの集大成とも言える『ONE MAN TOUR 2019-EX_MACHINA CLIMAX』5公演を開催。その正真正銘のファイナルとなるZepp Tokyo2デイズの最終日を観てきた。

 18時7分、満杯の会場に赤いライトとサイレン音が鳴り響く中、ステージを覆う白幕が降りると、Koie(Vo)、Kazuki(Gt)、Hiro(Ba)、Teru(Prog/Vision)、Tatsuya(Dr)のメンバー5人はフード付きの黒い衣装に身を包んで登場。いきなり「Freedom」を「Freedom」を披露するも演奏の途中でバグのような演出が発生し、メンバーはすぐにステージ袖に消える。改めて『EX_MACHINA』の冒頭を飾るSE「Deus Ex Machina」が流れると、再びメンバー5人がステージに揃い、「行こうぜ!」というKoieの号令と共に「Catastrophe」で本編スタート。ステージ背面のスクリーンと連動する形で、TeruとTatsuyaのメンバー2人が位置する台の側面にもビジョンを備え、そこにも映像が流れている。また、天井とステージの上下からスモークが勢いよく噴き出し、場内には煌びやかなレーザー光線が飛び交う。ド頭からロックとエレクトロを融合させた彼らのハイブリッドな音楽を視覚化した演出効果に耳目は奪われっぱなし。

 それから曲名を観客とコール&レスポンスすると、「Destroy」をプレイ。ヘヴィなリフとバネのごときグルーヴで激しく焚き付け、Teruは早々とフロアにダイブを決める。さらに曲中に観客を座らせてジャンプさせると、会場の熱気は俄然ヒートアップ! そのパーティー感を「Jägerbomb」でさらに更新していく。スクリーンには「イエーガーボムトレイン」の映像が流れ、まさにロックで酔い狂え! と言わんばかりの猛攻撃ぶり。次の「Make A Move」でも会場をひとつに束ね、新作の楽曲群がライブで凄まじい爆発力を発揮していることを肌で感じた。

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