V6×みのもんた、KinKi Kids×吉田拓郎……TV時代のジャニーズを育んできた人々 取り巻く環境の変化も

 10月26日に放送されたV6によるバラエティ『学校へ行こう!2021』(TBS系)の3時間生放送スペシャルにみのもんたがサプライズゲストとして登場し、大きな反響を呼んだ。V6をはじめ、これまで歴代のジャニーズグループは番組を通じ、様々な人たちと触れ合うことで成長してきたように思う。本稿では、これまで成長を見守り、飛躍のきっかけとなった人たちとの絆を振り返ると同時に、時代にともない変化するジャニーズグループの関わり方について考察したい。

V6の大恩人がサプライズ登場

 『学校へ行こう!2021』で生徒たちの「謎解きゲームがしたい」という願いを叶え、体育館からの脱出ゲームに挑んだV6メンバー。最終目的地である屋上に到着すると、そこで待っていたのは600人を超える生徒たちの大歓声だった。突如始まったコーナー「未成年の主張」の告白の場面はメンバーたちも思わず涙する瞬間もあったが、さらにV6を驚かせたのは番組で長年校長を務めたみのもんたの登場だった。「V6のみなさん、26年間本当にお疲れ様でした。一言言いたくて来ました。ありがとー!」と力強くメッセージを伝えた。元気なみのの姿を見て涙ぐむメンバーたちを代表し、井ノ原快彦が「みのさんがいてくれたからこそ今の俺たちがいると思います。こちらこそありがとうございました」と、若き日からお世話になった芸能界の大恩人へ感謝の言葉を述べた。

“カッコいいのに面白い”のベースを築いたSMAP

 番組を通じ、グループの飛躍に大きく関わってきたジャニーズ事務所以外の先輩タレントは数多い。SMAPは、大ブレイクするきっかけのひとつとなった番組『夢がMORI MORI』(フジテレビ系)で森脇健児、森口博子らと共演。大人気コーナーとなったミュージカルコント「音松くん」や「スーパーキックベース」などを通じて、これまでのジャニーズグループにおけるバラエティ番組への関わり方を大きく変えたことが印象深い。元祖バラエティアイドルとも呼ばれた森口との共演によって、SMAPはアイドルが全力でバラエティに挑戦する、現在までのジャニーズグループにも共通する“カッコいいのに面白い”の基礎を構築した。また『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の出演を通じ、草なぎ剛、香取慎吾、中居正広らはタモリからバラエティに向き合う姿勢を学んでいたように思う。さらに木村拓哉は公私ともに親交のある明石家さんま、中居も『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)で長年共演している笑福亭鶴瓶など、メンバーそれぞれでバラエティにおけるエンターテインメントの神髄を体得していった。

現在の活躍に大きな影響をもたらした人生の大先輩

 芸能人ではない人たちと番組を通じて絆を育んだのがTOKIOだ。『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)のDASH村企画で、何も知らなかったメンバーに農作業のいろはを教えてくれたのが三瓶明雄さんだ。番組では作物の育て方だけでなく、日常でトラブルが発生した時の対処法、動物の育て方など幅広い知識と経験を持ち、その大らかなキャラクターはTOKIOだけでなく視聴者にとっても頼れる存在として浸透した。現在では、“無人島に何か1つ持って行くことができるとしたらTOKIO”と言われるほど博識で経験豊富なTOKIOの魅力は、まさにこの番組を通じて知り合った人生の先輩たちからの教えが礎となっているに違いない。

 Kinki Kidsについても、アイドルの枠を超えたアーティスト活動に大きな影響を受けたと思われるのが、CDデビュー前に『LOVE LOVE あいしてる』(フジテレビ系)で共演した吉田拓郎との出会いだ。Kinki Kidsは番組内で結成したハウスバンドの活動などを通じ、吉田の音楽に向き合う姿勢や楽しみ方をその後の活動に生かしていったように思う。また、『堂本兄弟』(フジテレビ系)では、高見沢俊彦はじめ西川貴教、武田真治ら多くのミュージシャンとの交流も生まれ、それらの出会いもまたKinki Kidsとしての活動、音楽性に影響を与えた。

 嵐のメンバーから“オグさん”と親しみを込めて呼ばれているのは、『嵐の宿題くん』(日本テレビ系)で共演したフリーアナウンサーの小倉智昭だ。共演当時の嵐はまだ20代前半。デビュー直後から5人を見守ってきた小倉は共演者でありながら、芸能界の父的な存在として時には厳しくも、彼らを見守り続けた。嵐がアイドルとしてのパフォーマンスだけでなく、バラエティで活躍するための基礎力を培ったのは小倉のサポートによる部分が大きかったのではないだろうか。小倉の誕生日には、毎年5人から“OGU-3(オグさん)”と記されたプレゼントが贈られることも明かしており、番組から生まれた交流は今も変わらず続いているようだ。

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