ZIPANG OPERA、『KAMIYAGURA』の4人らしさと新しさ 極限状態で臨んだツアーも振り返る

ZIPANG OPERA『KAMIYAGURA』の新しさ

 ZIPANG OPERAが1stシングル『KAMIYAGURA』をリリースした。意外にもグループ初のシングルとなる本作には、和の要素を入れつつエモーショナルなリード曲を含んだ3曲が収録。さらに初回生産限定盤には、昨年6月に開催された初のZeppツアーをパッケージしたライブ映像や音源も含まれ、公演自体がレアな彼らのファンには注目の内容となるだろう。

 ユニット結成5年目を迎え、メンバーである佐藤流司、福澤 侑、心之介、spiは個人としてもますます多忙を極める。しかしスケジュールの合間を縫いながら妥協なく活動してきた彼らの歩みは変わらない。ZIPANG OPERA、2025年の展開はいかに。(小池直也)

「KAMIYAGURA」には抗えないカッコよさがある

ZIPANG OPERA - KAMIYAGURA (Official Music Video)

――新曲「KAMIYAGURA」の制作について、まず制作の経緯から教えてください。

福澤 侑(以下、福澤):ゲーム『神櫓-KAMIYAGURA-』のタイアップが決まったので、その雰囲気を踏まえつつ、僕たちらしさと新しさを詰め込んだ1曲です。個人的には断トツに好きな楽曲。完成度も高いし、今まで4人で活動して得た経験値も全部出ていて、自分の曲でなくても聴くと思います。

心之介:ライブのセットリストの序盤、中間、終盤のどこで歌ってもアガる曲。前作の「Rock Out」は踊れるロックで、今回はもっとエモーショナルな内容です。ゲームの世界観とZIPANGらしさが上手くマッチしたなと。

佐藤流司(以下、佐藤):俺もシンプルにカッコいいなと思いました。だいたいZIPANG OPERAのシングル曲は全部デモ段階で感動できるからすごい。1回聴いただけで覚えられるキャッチーさがある。

spi:抗えないカッコよさがあるよね。特に4人の声入った音源を聴いた時に、めちゃくちゃカッコいいいなと思いましたね。「祈ることによって、大きい力を自分の中に作り出す」みたいなことを端的に表現した歌詞。

佐藤流司

――リリックはいかがでした?

心之介:魂が奮い立つようなリリックですね。作詞は以前「Like a Wolf」でもお世話になった、藤林聖子さん。平成の仮面ライダーシリーズの楽曲を数多く手掛けた方なんですよ。

佐藤:藤林さんはヤバい。個人的にも舞台を観に来てくれたり、作詞をしていただいたりとお世話になっています。

心之介:男の子が好む歌詞を熟知していますね。日常生活では使わない言い回しだけど、歌にするとカッコいいフレーズが散りばめられています。

――巧みに入り組んだ歌割りについても聞きたいです。

福澤:最初に僕と心之介がガツンとパワーを見せ、Bメロでエモくなってからサビに入るというバトンパスが綺麗だなと思ってます。

spi:どう割り振れば効果的か、というのも分かってきた気がするね。

spi

――レコーディングについてはいかがですか?

心之介:僕がトップバッターでした。またライブが難しそうな曲だなと。

福澤:確かにすごく難しかったね。

佐藤:そうなんだ。個人的にはキー的にも譜割り的にもちょうどよくて、歌いやすかったです。あとは〈正義が破綻し続けてるDialogueと〉の部分が歌ってて気持ちよかった。

spi:俺はブリッジの〈もう二度と 奇跡なんて発動しないから〉というフレーズの方向性は結構迷ったかな。エッジボイスを使ってみたり、あえて強くリズムで押していったり、色々なパターンを録って一番エモい感じのテイクが選ばれた感じ。

心之介:僕もアタック感を出すために、サビで少しエッジボイスを入れてます。あとは2コーラス目のAメロ、激しめのパート担当でウキウキしている僕の声を聴いてもらえたら(笑)。

「Keep Your Eyes on Me」はセクシーなダンスがライブで盛り上がる一曲

――カップリングとして収録された「Keep Your Eyes on Me」はセクシーな仕上がりになっていますね。ツアーでも人気だったとか。

福澤:どの曲も切り札的な曲なんですよ。カードゲームで出し惜しみなくレアカードを出していく感じ。「Keep Your Eyes on Me」は僕らのなかで「キヨミ」と呼んでいます。spi兄がプロデュースしている曲で、心之介も仮歌から関わってデモを作ってくれました。

spi: Funk UchinoとSILLY TEMBAに「こういう曲を書いてほしい」と伝えて上がってきた曲がめちゃくちゃ良くて。そこからトップラインを考えたり、音の抜き差しやサイズ感を調整していきました。

心之介: こういうセクシーなサウンドは今まで僕らの曲では聴けなかったので、反応が楽しみでした。

――歌詞の制作はいかがでした?

spi:歌詞はスペインに遊びに行った時、ナイトライフで見た世界を表現しました。イメージしたのは女性が声をかけられて「一緒にいたいけど、友達と来てるから……」とか「みんな飲んで踊ろうぜ」など、クラブでありそうな場面。パーティーのなかで同時に起きている色々なストーリーを詰め込みました。

――6月のライブではセクシーなダンスも披露したとか。

福澤:お腹チラ見せみたいな……(笑)。

spi:サビで歌わずに踊るのが色っぽいかなと思って、少し振り付けも考えさせてもらいました。そこで「腹チラ見せでもいいですか?」とお願いしたんですよ。流司も楽屋で「脱げばバズる」って言ってたし。

佐藤:ああ……言いましたね。最悪、俺は仕事なくなったら全裸写真集を出すつもりですから(笑)。

spi:そうしたら案の定、大盛り上がりで。狙いが成功しました。

――もうひとつのカップリング「Bangin'」はいかがでしょう?

spi:こちらから「輪唱を入れたい」とお願いして、メロディをいじらせてもらった記憶があります。あとは「流司の部分の歌詞も詰め込んでほしい」と伝えた結果、これでもかというくらい細かくなって返ってきましたね。さらに歌割りも自分たちで考えたり、最終的にはデモと違う形になったと思います。

佐藤:その提案、全部spiさんがチームの人たちにお願いしたんですよね。

spi:Zoom会議で相談しました。妥協したくなかったんです。

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