THE RAMPAGE ソロインタビュー Vol.15:川村壱馬 本気のステージを届ける使命「僕らでないといけない誇りを持つ」

2024年に結成10周年を迎え、ドーム公演『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR® at TOKYO DOME』を大成功に終えたTHE RAMPAGE。16人によるEXILE TRIBE屈指のダイナミックなパフォーマンスの人気は海を越え、アジアでの公演も増えてきた今、リアルサウンドではTHE RAMPAGEメンバーへのリレーインタビューを企画。アニバーサリーを経た活動への素直な心境、メンバーとの思い出などを語ってもらった。第15回はボーカル 川村壱馬が登場する。(編集部)
「大切なのは物理的なスケールより、魂のスケール」
――2024年はTHE RAMPAGEの結成10周年イヤーでした。どんな1年になりましたか?
川村壱馬(以下、川村):グループとしてはものすごく大きな1年になった気がしています。毎度のごとく本気で臨み、無事に事故や怪我なく終えた最高のツアー。そしてツアーが終わってからもみんなで泥臭く、全てを懸ける気持ちで臨み、確実に特別なものになったドーム公演。燃え尽きてしまうかと思うほど全てを懸けながらも、あまりにも上げすぎた熱量は止まるところを知らなくて、食事やトレーニングも継続して、2024年終盤も日々を充実させることができました。もちろん、いいことばかりではなく、むしろそうでない時、気持ちが落ちている時のほうが多いと言える1年ではありましたが、本当に一生懸命生きていたなと思える年になりましたね。
――この1年間で、新しく好きになったものやハマった趣味はありますか?
川村:料理ですかね。料理というほどのものでもないかもですが……未来を見据えて絶対にできたほうがいいよなという気持ちが大きくあって。そんな中、ライブに向けて食事を調整する上で、せっかくなら美味しく作りたいという思いもあり、そういうきっかけで継続し続けたら、いつの間にか自分にとって身近なものになっていました。とはいえ、まだまだ特別上手なわけでも、レパートリーが多いわけでもないのですが、必ず今だけじゃなく未来にも役立つと思うので、いろいろ覚えたいなぁと思っています。

――10年間で特に印象に残っているライブ、またはターニングポイントになったと思うライブを教えてください。
川村:三代目 J SOUL BROTHERSさん初のドームツアー『BLUE PLANET』(『三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR 2015「BLUE PLANET」』)の西武プリンスドーム(現・ベルーナドーム)公演です。当時、自分たちが活動休止をしていて、完全に裏方の仕事に回っている時期で、がっつり携わらせていただいていましたが、メンバーの皆さんが登場した時の聞いたこともない、この先の人生でももう二度と聞けないかもしれないんじゃないかと思うほどの地響きのような歓声……あの瞬間がずっとずっと忘れられません。
何が衝撃だったかと言うと、西武ドームは完全屋内じゃないんですよね。吹き抜けになっていて、普通ならば音も外にも抜けてしまって、ステージ真裏で聞いていてもあの音量にはならないはずなんです。正直10年経った今でも、あの日を超える音、歓声は聞いたことがないです。「もう一度聞きたい。自分も実際にあれを経験してみたい」と思います。
――10年の活動で、特に印象に残っているメンバーとのエピソードを教えてください。
川村:(長谷川)慎と寮で同じ部屋だった頃に、なぜか2人で二段ベッドの上で、深夜まで(慎が)泣きながら熱く語ったことですかね。あの日から一気に仲良くなった気がしましたし、家族というか兄弟というか、間違いなく目に見えない絆が生まれたと思います。

――この10年の活動で、最も驚いたこと・予想外に嬉しかったことは何でしょう?
川村:あまりないかもです。想定内。マイナスなほうで言えばパンデミックですね。全くの想定外でした。以降、いろいろと狂ったことはあります。
――2024年現在の気分で、特に思い入れの深いTHE RAMPAGEの1曲を教えてください。
川村:「CyberHelix」ですね。聴くと、いろんな感情や思い出が走馬灯のように蘇ってきて、心を鷲掴みにされたような感覚になります。そういう周波数がある曲なんですよね。
――10周年の先へ進んでいくにあたり、これから目標に掲げていることを教えてください。
川村:グループとしては、僕らでないといけない理由や誇りを持ちながらやっていくこと。それぞれのグループにはいろんな魅力やプロモーションのやり方があるし、そもそも各々のやりたいことや求めるもの、掴みたいものも様々だと思います。それを否定する意味ではないですが、“それなら代わりがいる”ということにもなりかねない紙一重な部分だと思っていて。例えば、美容などは個人的に昔から身近にあったものだし、自分のたくさんのコンプレックスとも昔から向き合い続けてきた人生なので、もちろん容姿にも気を遣いはしますが、ただ見てくれがいいだけではなく、パフォーマンスがカッコいいだけでもなく、“その奥にあるもの”が大切。いいこともありますが、それでもありとあらゆる場所で日々頭を抱えるようなことが多い世の中で、その世界を救うような、絶対的な意図を持ち続けていたいなと思います。
もちろん、たくさんの方にその意図を広げていくために、立つステージの規模も必要なことではありますが、そこではなく。この職に就いているにあたって、大切なのは物理的なスケールより、魂のスケールかなと思います。意図なくしては何も生まれないし、人々の心に本気で届けようと思っても難しい。承認欲求だけで誰かを救える世界があるのなら、この世界でも世界平和などとっくに成立している気がしますし。これを16人で意思統一するのも簡単な道のりではないかもしれませんが、最高のメンバーで唯一無二のグループを目指したいです。
それは個人としてもほとんど変わらないです。ただ、グループとしてみんなで大きくなりつつ、たくさんの人からいただいた力をソロとしても発揮して、自分の手の届くところから世の中をより良くしていきたいです。ただ単にキラキラした有名人になりたい気持ちも、モテたい気持ちも、そもそも持っていたっけ? と思うほど皆無に等しくて。対価をいただくことを憚られるような、薄いエンタメや中身のない音楽や言葉を届ける気もなくて。多くの方のお目にかかれるチャンスがある環境にいさせてもらっている以上、無駄にはせず、使命を全うしていけたらと思います。
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