ライバーがメジャーデビュー! 配信は「夢を見つけて叶えられる場所」、インタビューで迫るリアルな実感

株式会社テイチクエンタテインメントと株式会社エクシング・ミュージックエンタテイメントによる共同レーベル「Imgramox Music」から、JOYSOUNDが手掛けるライバー事務所「JOYSOUND LIVER PROMOTION」所属のライバーが、2024年12月にメジャーデビュー。保育士と兼業しつつ、未経験からデビューを掴んだユイ、ボイストレーナー兼JOYSOUND LIVER PROMOTIONの初期メンバーとして活躍するりな、アーティストとしての音楽活動をさらに広めるために配信を始めたRUNA。今回はこの3名のそれぞれ異なるバックボーンを持つ彼女たちに、ライバー生活やデビューへの思いを聞いた。(南 明歩)
ライバーと日常生活の両立「まさかメジャーデビューできるなんて」
――まずは、皆さんがライバーを始めたきっかけを教えてください。
ユイ:私は高校3年生の時、保育系の大学への進学がすでに決まっていました。ちょうどコロナ禍で、時間はありながらも外出ができなくて、家でやれることを探していた時に、ライブ配信を見つけて、もともと歌も好きだったから「ちょっとやってみようかな?」と興味本位で始めたのがきっかけです。それまで配信を見たこともなかったし、最初は顔出しも怖かったので、声だけのラジオ配信から始めました。本当に気軽に始めたので、まさかメジャーデビューできるなんて思ってもなかったですね。

りな:私も昔から歌うことが好きでボイストレーナーになったんですが、いろんな生徒さんに教えていくなかで、「自分も歌で誰かを元気づけたい」という思いが強くなっていきました。それで、どんな場所からでも多くの人に歌声を届けられる、ライブ配信を始めました。もともとステージで歌ったりもしていたので顔出しへの抵抗はなかったですが、最初は友達には内緒にしてました。今はオープンにしているんですけどね。

RUNA:私は、InstagramでJOYSOUND LIVER PROMOTIONの広告を見たのがきっかけです。ずっと配信に興味はあったんですが、なかなか一歩が踏み出せなくて。でも、JOYSOUNDなら大手企業だから安心だなと思ったし、自分の音楽をもっと一般の方にも聴いてもらえる機会を増やしたいという思いもあって始めました。私はSNSを活発に更新するほうではないし、配信への抵抗も少しあったんですが、それよりも活動を広げたい気持ちが強かったので「やってみよう!」と決めました。はじめはメジャーデビューできるなんて想像してなかったし、音楽をずっと続けてきたので嬉しかったです。

――ほかにもライバー事務所があるなかで、JOYSOUND LIVER PROMOTIONに所属した理由はなんだったんでしょうか。
RUNA:私は広告から知ったんですが、JOYSOUNDといえばカラオケなので、音楽との繋がりもすごく濃いイメージがあったんです。そういった部分でも、私が目指してる世界に近かったというのが選んだ決め手ですね。
ユイ:私はずっとフリーでやっていたんですが、どこか事務所に所属したいなと思っているタイミングでお話を聞いたのがきっかけでした。私が普段配信しているアプリの「ColorSing」にはJOYSOUND LIVER PROMOTION所属のライバーが多いのでもともと存在は知っていたし、配信仲間に「こういう事務所があるよ」と教えてもらったりもしてました。
りな:私は、もともとJOYSOUNDアンバサダーというメンバーの一員だったんです。そこで知り合ったJOYSOUNDの方からお声かけいただいて所属が決まりました。ちょうど配信を続けるか悩んでいた時期に、JOYSOUNDの方が「りなさんは絶対に有名になれると思う」とすごくプッシュしてくださったので、所属を決意しました。実は私がJOYSOUND LIVER PROMOTIONの最初の所属ライバーでもあるんです。
――皆さん、ほかのお仕事とライバー業を兼業していますが、両立するうえで大変なことはありますか?
りな:スクールの人たちにもライバー活動のことを話しているので、レッスンの組み方にも融通を利かせてくれたりして、両立しやすいです。音楽をやってる人も多いので、ライバー活動のことも理解してくれていますし、大変さはそこまで感じていないかもしれません。
ユイ:私は今社会人一年目で、保育士として働きながらライバー活動をしていますが、体調管理がいちばん大変です。子どもたちから風邪をもらいやすいので、喉を壊したりして配信に影響が出ちゃうのが悩みです。デビュー直前にインフルエンザにかかったこともありました(笑)。あとは、保育園から帰ってきてメイクを直して配信して……という感じなので時間的な大変さもあるかな。でも、どちらの仕事も楽しいし、ずっと続けてきた配信が楽しみで頑張れています。
――ちなみに職場の方もライバー活動のことはご存じなんでしょうか。
ユイ:園長先生には「活動をしている」とお伝えしています。今は配信と両立できるようにパート形態で働かせてもらっているんです。
――RUNAさんは普段どんな活動をされてるんでしょうか。
RUNA:私は地元の福岡で、イベントに出演して歌唱したり、バンドのボーカルとしてライブハウスに出たりしています。ライバー活動のことは周りにも話してるんですが、そのおかげで「専門学校でライブ配信の講師を探していて……」と声をかけていただいたこともあって。新しい仕事のきっかけ作りにもなってるんですよね。あと、リスナーさんがリアルのライブに足を運んでくれた時は、周りも一緒に喜んでくれたりするので「両立が大変」というよりも、「配信活動がリアルの活動にもいい影響を与えてくれている」という感じですね。
――それは素敵なことですよね。配信とリアルライブでのパフォーマンスとの違いはどんなふうに感じていますか?
RUNA:いちばん違うのは、伝えられる熱量です。リアルではバンド形態なので全力で声を出しますが、自分の元の声量もあるので配信だと少し気を遣います。あと、配信を視聴するリスナーの環境によって聴き心地が変わるのも実感していますね。リアルで喜ばれる曲を同じように歌っても、配信では伝わりにくいこともあるんです。リアルではバンドメンバーの状態や場の雰囲気で歌い方を変えることも多いんですが、配信だとリスナーの方だけの空気感ですよね。だからコメントを見ながら「こういう曲や歌い方が喜ばれるかな?」と探ってみたり、コメントしないで静かに聴いてくださる方もいるので、「この人が今聴きたいのはどんな曲かな?」って考えたりするんです。それは配信の面白さだと思いますね。
りな:私はリアルでも配信でも同じように歌っているかも。曲を物語のようにとらえて、「この歌詞はどうしたら伝わりやすいかな?」と考えながら歌っているんですが、それはリアルでも配信でもまったく同じです。もちろんリアルにはリアルのよさがあって、配信には配信のよさがあるんですが、自分の歌を聴いてくれる人がいるということは一緒なので、同じ気持ちで歌ってます。
ユイ:私はふたりとは違って、ライバーになってから初めてリアルライブに出演したんです。それもColorSingのイベントで勝ち取った機会だったので、とにかく応援してくれたリスナーの方に楽しんでもらえるようにという気持ちで歌いました。リアルで反応がもらえたり、実際にリスナーの方の顔が見れたりするのは、すごく嬉しかったですね。普段の配信でのコメントももちろん嬉しいけど、リアルではよりストレートに気持ちを伝えてもらえた気がします。でも、初めての経験だったので緊張と不安でいっぱいでした(笑)。またリアルライブに出演できる時には、もっと成長した姿を見せたいなと思います。