『毅の“カタリタガリ”』第3回
SUPER★DRAGON 古川毅、“ファッションと音楽”を語りまくる 刺激を受けた4組の表現者
おかげさまで3回目を迎えることができた『古川毅のカタリタガリ』。前回までの2回は“ボーカリスト”、“歌詞”と音楽そのもののことについて触れてきましたが、今回は少し違った角度から僕なりに音楽やカルチャーの魅力を語っていきますので、よろしくお願いします。
■第3回「ファッションと音楽」
もともと一度何かを好きになると、なぜそれはそうなったのか、歴史や成り立ちを掘り下げることが好きなタイプなんです。そこで、ファッションから入ると必ずと言っていいほど音楽にあたる。好きなミュージシャンがステージやプライベートショットなどで着ているものについて調べていくと、より豊かに音楽を楽しめるようになる。その関係性に気づいてからは、さらに意識的にいろんなことを詳しく調べるようになりました。
原体験としてもっとも大きかったのはマイケル・ジャクソン。親が好きだったこともあって自然と音源や映像に触れるようになりました。スーツ姿も、ナポレオンジャケットやスパンコールなどのキラキラした衣装も、いつ見てもかっこいい。曲やダンスと同じように、ビジュアルから好きになった部分も大きいですね。
マイケル・ジャクソン以外にもいろいろときっかけはあったんですけど、ファッションと音楽の関わりって調べるほどにおもしろい。僕がいま身を置いているショウビジネスの世界におけるその起源を辿ると、まず、50年代にはアメリカでロックンロールが誕生、その象徴の一人としてジャンプスーツやボーダーシャツなどのファッションでも人気を博したエルヴィス・プレスリーがいました。時を経て60年代のイギリスには、M-51というミリタリーパーカを着てスクーターにまたがり、ソウルやR&Bとともに遊びに興じていたモッズという若者がいて、The WhoやSmall Facesといったロックバンドも出てきました。みんなが“モッズコート”と呼ぶアウターのルーツはこの時代。デヴィッド・ボウイも10代のモッズ時代を経て、70年代には山本寛斎さんとのコラボレーションが話題になるなど、ファッションアイコンとしても大きくなっていきました。
70年代後半にロンドンで起こったパンクムーブメントも見逃せません。その中心にいたSex Pistolsは、後に自身のブランドが広く世に知られ今もなお多くの人々に愛されているヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンが始めたショップ、「LET IT ROCK」の店名が「SEX」になったときのスタッフと客から始まったバンドで、ヴィヴィアンが衣装を手掛けていました。90年代にはNirvanaのカート・コバーンをシンボルとするグランジファッションが流行し、その影響はずっと受け継がれながらブームとしても何度かリバイバルしています。
そんな感じで、自分のなかでいろんな文化が繋がっていく瞬間が楽しくて、自分もそれを体現できる存在になりたいと思ってアイデアを練る日々。そこでここからは、僕が今追っているアーティストをピックアップして、ファッションと音楽について語っていきます。