YOSHIKI、MLB開幕戦でピアノ演奏 河村隆一、吉川晃司、玉置浩二、MISIA……国歌独唱を務めたキャリアアーティスト

 東京ドームで開催された『MLB Tokyo Series presented by Guggenheim』開幕戦のシカゴ・カブス対ロサンゼルス・ドジャースにおいて、YOSHIKIが日米両国の国歌を演奏した。ただのパフォーマンスにとどまらず、世界で活動するYOSHIKIだからこそ表現できる、両国へのリスペクトに満ちた演奏だった。

 振り返ると、これまでにも多くのアーティストが演奏のみならず国歌独唱を務め、それぞれの個性と芸術性を見事に融合させて、聴衆に深い感動を与えてきた。ここでは、その中でも特に注目すべきキャリアアーティストたちによる国歌独唱の歴史を振り返る。

 
 
 
 
 
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 まず、TUBEのボーカルである前田亘輝が1993年にサッカーJリーグ初年度の開幕戦で独唱した「君が代」は、その後の国歌独唱のスタイルを決定づける一端を担ったと言われている。彼の表現は、国歌に秘められた厳粛さと同時に、“Jリーグの始まり”という時代の変革を象徴する新たな息吹を感じさせるものであった。前田の歌は、メロディに追従するだけにとどまらず、聴衆の心に直接語りかける力強さを伴っていたのだ。彼の歌唱は、国歌という国のシンボルに対する認識を再確認させる瞬間となった。

 同じくJリーグの開幕戦で国歌独唱を行ったのは、LUNA SEAのRYUICHIこと、河村隆一である。2008年のJリーグ開幕戦、鹿島アントラーズとコンサドーレ札幌の対戦においてのことだ。河村のシグネチャーとも言える甘い声はそのままに、安定した声量で丁寧に歌い上げられた「君が代」は、カシマスタジアムという広大な空間にも力強く響き渡った。

 また、吉川晃司も国歌独唱においてその存在感を強く示している。2016年のプロ野球の日本シリーズで国歌独唱を行った吉川。その場所は、広島のマツダスタジアム(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島)である。そして、対戦カードは広島東洋カープ対北海道日本ハムファイターズであった。広島出身の吉川にとって、どれだけ重要な試合であったかは言うまでもない。地を這うような低音と伸びやかな歌声で緩急ももたせた吉川の独唱は圧巻。吉川はロックアイコンとしてのキャリアを持ちながらも、国歌という厳かな楽曲に対して独自の解釈を加えて挑んだ。その表情や歌声には深い情熱が込められており、選手や聴衆にとっては大事な一戦を前に武者震いするような瞬間となっただろう。昨年には、サンフレッチェ広島の新本拠地・エディオンピースウイング広島でのJリーグ開幕戦でも国歌独唱を務めている。

 
 
 
 
 
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 MISIAは、国立競技場で行われた『東京オリンピック開会式』舞台で国歌独唱を披露し、その迫真のパフォーマンスは世界中の注目を集めた。彼女の国歌独唱は、世界の平和と希望を象徴するメッセージを内包しているようにも思えた。透明感あるMISIAの歌声は、普遍的な愛が感じられる包容力があり、オリンピックの精神やコロナ禍にあった当時の社会情勢を鑑みても、これ以上ない国歌独唱であった。

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