『毅の“カタリタガリ”』第3回
SUPER★DRAGON 古川毅、“ファッションと音楽”を語りまくる 刺激を受けた4組の表現者
■ブルーノ・マーズ
ブルーノ・マーズは僕が歌やダンスの道を志すうえで、直接的な影響を受けたもっとも大きな存在の一人。今回紹介したいのは2016年のスーパーボウル、マーク・ロンソンの「Uptown Funk ft. Bruno Mars」のパフォーマンス映像です。マーク・ロンソンのDJからブルーノ・マーズがダンサーたちと登場。次にビヨンセが出てきて彼女の曲とのマッシュアップパフォーマンスが繰り広げられる。最後はその前に演奏していたColdplayまで入ってきての大団円。スポーツのハーフタイムにこれだけのショウをやるアメリカの土壌ってすごいなと思いますし、ブルーノ・マーズチームのファッションもいいんですよね。Run-D.M.Cのような80年代~90年代のヒップホップやニュージャックスウィングといった、あの時代のアメリカのエンターテイメントの熱狂が、黒いレザーの上下にゴールドのデカいネックレスのスタイルとサウンドやダンスなどの相乗効果でモダンにアップデートされて、当時のことをなんとなくのイメージでしか知らない僕にも伝わってきたときの興奮は、今でもはっきり覚えています。
あとは最近リリースされた、ブルーノ・マーズがアンダーソンパークと組んだシングル「Leave The Door Open」も素晴らしかったです。今回彼らがアプローチしたのは70年代のソウル。ミュージックビデオも何回も観ていますし、全員がレトロなスーツを着たグラミー賞でのパフォーマンスも最高でした。僕が生まれる前の70年代辺りのことをやっているんだろうなって、どこか懐かしいにおいを感じ取りながらも、昔のことをただ再現しているような印象はなくて新鮮な感覚にもなる。ブルーノ・マーズは前のアルバム『24K Magic』で、90年代に接近して若者に届けてからの今度は70年代。時代のリバイバルに対してうまいこと先回りしているのか、彼がやるから流行るのか、過去に接続して未来を示すスタイルは、ほんとうにすごいと思います。