『Nissy Entertainment』初体験で受けた衝撃 圧倒的エンターテインメント、比類なき覚悟に打ちのめされた夜

ソロアーティストとして東京ドームに立ち続ける比類なき覚悟。2025年2月20日に東京ドームで見た『Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR』は、まさにそうした矜持に貫かれた、圧倒的なエンターテインメントだった。

この日のライブは、大きく前半と後半、そしてアンコールに分けられていた。前半は、Nissyと韓国の俳優 パク・ミニョン演じるヒロインとの時空を超えた恋を描く映像とともにライブが進行していった。
冒頭の映像で、Nissyがオペレーションシステムに触れると、連動して東京ドームに詰めかけたファンのペンライトリストバンドライトが光り、ステージには炎やスパークラーが噴き上がるなど、映像と東京ドームの空間を接続させていた。『Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR』とは、テクノロジーを駆使した巨大なメディアアートでもあった。

1曲目の「SLAVE」では、センターステージがさらに隆起し、その中央に映像から出てきたかのようなNissyがマント姿で現れ、それを脱ぐと会場から大歓声が起きた。「Get You Back」では、アリーナ外周に発光するダンサーたちが並んだ。まるで1982年の映画『トロン』のようだ。炎がセンターステージだけではなくアリーナのあちこちから噴き上がるので、見ているだけで熱を感じる。「Luv Your Smile」では、センターステージからさらに進んだ場所にあるステージにNissyは立ち、スタンドマイクで歌った。
映像でのNissyは魔法を使う能力がある。そして、ある女性と恋に落ちて物語は動き出す。
度肝を抜かれたのは「Rendezvous」だ。センターステージとアリーナ外周から水が噴き上がったのだ。そして、延々と水が噴き上げられる。さらに、スパークラーや花火までも噴き上がり曲中なのに映像とリンクする光景に「どうなっているんだ?」と思ってしまうほどの衝撃を受けた。こんなライブを私は今まで一度も見たことがない。

あっけに取られている間にも、映像やライブは進行していく。センターステージでNissyとダンサーがシンプルでありながら圧巻のダンスにパフォーマンスを展開する「When You Were Mine」も見応えがあった。
映像では、カーチェイスが繰り広げられ、女性が自ら犠牲になり、涙するNissyに雨が降りはじめる。まるでハリウッド映画だ。「愛tears」では再びセンターステージとアリーナ外周から水が噴き上がる。さらに映像がインサートされ、女性の姿が消えると、アリーナから大量の風船が浮かんだ。こんな演出を見るのも初めてだ。

さまざまな展開を経て映像内のストーリーがハッピーエンドを迎え、9曲目の「WISH」が終わるとともに、前半が終了。続く転換映像は、チョコレートプラネットとNissyによる「TTT兄弟」の映像だった。雰囲気が変わりすぎだ。映像に自動車が出てくると、アリーナにも自動車が登場。その自動車が載せている箱から登場したのは、竜の着ぐるみにヘビを巻いたNissyだ。さらに大勢のチアガールも現れた。「DANCE DANCE DANCE」では、Nissy、ダンサー、チアガールによる華やかなステージとなり、アリーナやスタンドには巨大なLippyの赤いボールが無数に投げ込まれる。さらに、TT兄弟としてチョコレートプラネットまでステージに登場し、会場のファンを驚かせた。
さらに驚いたのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンから「セサミストリート」のキャラクターと、スヌーピーなどの「ピーナッツ」のキャラクターが登場したことだ。Nissyとともにフロートに乗って、アリーナを走り出した。Nissyの強烈なサービス精神を感じさせるゲストだ。「The Days」では、光るフラッグを掲げた人々が、フロートの前後を歩いていた。彼らは、続く「トリコ」では光る傘を手にしていた。
アンコールの映像では、それまでのナレーションが山寺宏一であることが明かされた。どこまでもキャスティングが豪華だと感心させられる。