SUPER★DRAGONが伝えた自らの力で未来を開拓する姿勢 5年間の成長を見せた『DRAFES 2020』

SUPER★DRAGON『DRAFES 2020』レポ

 スターダストプロモ―ションが手掛ける若手俳優集団・EBiDANから生まれたSUPER★DRAGONにとって、2020年は結成5周年という大きな節目の年だった。ファンとともに走り続けパフォーマンス力を磨き上げた集大成を示す年であり、そこからまた新たなディケイドを創造するべく未来を誓う年。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、その計画はもろくも崩れ去った。

 歴史は揺れる。変化は世の常。言ってしまえばSUPER★DRAGONのような志高き先鋭的なグループの得意分野だ。しかし、今回ばかりは何も自分たちだけに起こった問題ではなく、多くの人々が一瞬足を止めること以外の選択を見失ってしまった。あらゆる立場の人々が、同じようなやり場のない悔しさを抱えていた。そんななかで、彼らは早々に気持ちを切り替わることに努め、積極的に配信ライブを行う。そして迎えた2020年のライブ活動の締めくくりとして11月15日に開催した『DRAFES 2020 2部 “BOX WORLD”』。そこには、現在の状況下でできることをファンに届けようとする気概はもちろん、5年間の積み重ねがあったからこそ、逆境を跳ねのけ飛躍的な成長を遂げた姿が確かにあった。

 では、どこが“飛躍的な成長”なのか。まずはその音楽性について。SUPER★DRAGONは、ロックを軸にさまざまな音楽がクロスオーバーした、90年代後半~00年代のラップメタル/ニューメタルを彷彿とさせる、パフォーマンスグループとしては類を見ないスタイルを武器としてスタートしセンセーションを巻き起こしながらも、その場所に停滞/固執することなくストイックに魅力を拡張してきた。9人の個性と豊かなバックグランドをフルに活かし、ヒップホップやR&B、エレクトロ、お隣り韓国のポップスが世界を席巻する流れとの共鳴など、さまざまな要素をミックスしたトラックをオリジナルなパフォーマンスへと昇華。本人たちもMCで「更新できたんじゃない?」と言っていたように、特定のジャンルに縛られることなく、自由であることをグループの軸として獲得した、“ジャンル・SUPER★DRAGON”と呼べる新たなフェーズを体現することに、見事成功した。

 続いて特筆すべきはそのロケーション。7月26日に行った廃工場でのライブをさらに前進させた場所を選ばないパフォーマンスを展開。めくるめく展開するステージに対して、録り直しや当て振りも可能なミュージックビデオではなく生のライブをはめ込むことは、おそらく容易ではなっただろう。しかし、歌やダンスは本来、どこでだってできるからこそ発展した文化だ。舞台が大きかろうが小さかろうが、トイレであろうが廊下であろうが関係ない。そんな音を楽しむことの根源的で原始的な魅力と、ステージの全体像だけでなく、メンバー一人ひとりにもフォーカスした距離感自在なカメラワークや照明、映像といった配信だからこそ用いることができたテクノロジーの化学反応による、新しい視覚体験とオーディオ体験。1時間に渡る全15曲のボリュームも、あっという間の出来事のように感じられた。

田中 洸希
田中 洸希
古川 毅
古川 毅
ジャン 海渡
ジャン 海渡
池田 彪馬
池田 彪馬
飯島 颯
飯島 颯
志村 玲於
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伊藤 壮吾
伊藤 壮吾
松村 和哉
松村 和哉
柴崎 楽
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田中 洸希
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古川 毅
古川 毅
ジャン 海渡
ジャン 海渡
池田 彪馬
池田 彪馬
飯島 颯
飯島 颯
志村 玲於
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伊藤 壮吾
伊藤 壮吾
松村 和哉
松村 和哉
柴崎 楽
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