渋さ知らズ、7年ぶりの沖縄公演決定 大物ミュージシャンも多数参加した25年の歩み
渋さ知らズオーケストラが、2014年2月9日に沖縄最古の映画館、那覇市の首里劇場で開催されるイベント「ジュチャックVol.1〜渋さ知らズ×首里劇場」に出演する。渋さ知らズとして沖縄公演を行うのは7年ぶりだ。
渋さ知らズオーケストラ(以下、渋さ)は、フリージャズベーシストの不破大輔を中心に結成されたバンドで、今年で25周年を迎える。JAZZ、ROCK、ダンスミュージック、SKAなど、ジャンルで括れない幅広い音楽性と、「一度でも参加したメンバーは永久的に渋さのメンバー」というスタンスの超大所帯が特徴的だ。過去に渋さに参加したメンバーは優に100人を超え、忌野清志郎やソウル・フラワー・ユニオン、CHARA、遠藤賢司、カルメン・マキ、大友良英らも前述の定義でいうところの渋さのメンバー。ステージでは楽器隊以外にダンサーや舞台美術家などもパフォーマンスを行い、大規模フェスから街を歩きながらのチンドン演奏まで、その活動は多岐にわたる。
渋さが活動を始めたのは1989年。アングラ劇団芝居の劇伴のために結成された渋さは、翌年から今は無きライブハウス”代々木チョコレートシティ”を中心に「代々木地下活動」と呼ばれるライブ活動を頻繁に行うようになる。当時からステージでは楽器演奏隊以外にもたくさんのダンサーら(ダンサーチーム「乳房知らズ」)がパフォーマンスし、大人数でユニゾン演奏をしたり、偶発的にジャムりまくるスタイルが画期的として話題を呼び、沢山のミュージシャンや役者、舞踏家などが「訳がわからないほど」出入りを繰り返していく。
彼らが活動拠点としていた代々木チョコレートシティは、ギターウルフなどのガレージバンドやNails of Hawaiianなどのパンクバンドを輩出したライブハウスだが、その側面とは別に当時まだシーンの夜明け前であった東京クラブミュージックの拠点として、深夜にさまざまなアーティストによるアクトが行われていた。RIP SLYMEやスチャダラパー、BOY-KENなどが出演したヒップホップやレゲエ中心のイベントが開催され、FISHMANSはここで「チケットが2枚しか売れなかった」くらい無名の時代からライブをしていたという逸話もある。不破大輔は渋さにおいてはダンドリスト(指揮)としての役割が強いが、ジャズベーシストとしての評価も非常に高い人物だ。そんな彼が率いることから今もジャズ色が強い渋さだが、音楽的多様性とインディーズスピリットに富んだこの代々木チョコレートシティをホームとして、アンダーグラウンドシーンの各地でライブ活動を行っていくうちに、渋さはあらゆる音楽と様々なジャンルのアーティストを吸収、さらに巨大化していくこととなった。