宮﨑あおいは“語り”として『らんまん』をどう観ていた? 好きなエピソードは“竹雄の告白”

宮﨑あおい、『らんまん』を“語り”から観て

 NHK連続テレビ小説『らんまん』の中で、もっとも視聴者に寄り添う立場と言えるのが、「語り」の存在だ。『らんまん』の「語り」を務めているのは、自身も朝ドラで主演を務めた経験がある宮﨑あおい。柔らかな声は、登場人物たちを、物語全体を包み込むような慈愛に満ちている。宮﨑は「語り」の立場から本作をどのように見つめてきたのか。じっくりと話を聞いた。(編集部)

“語り”は近すぎず、離れすぎない距離感で

――本作の語りのお話を聞いた際の心境はいかがでしたか?

宮﨑あおい(以下、宮﨑):このようなかたちでまた朝ドラに参加させていただけるのだという喜びがありましたし、台本を開くと以前お世話になったスタッフの方の名前が並んでいて、すぐにやりたいですとお返事をしました。

――スタッフの方との再会もあったんですか?

宮﨑:ありました。NHKに来ると知っている方がたくさんいるので、廊下を歩いているだけで楽しく、10年ぶりにお会いするスタッフの方もいました。変わらず当時の話ができたりして、いろんな縁が繋がって、この『らんまん』に参加させていただけて幸せです(※『らんまん』の制作統括・演出は、宮﨑が2008年に主演を務めた大河ドラマ『篤姫』を担当)。

――語りを担当する上で心掛けていることはありますか?

宮﨑:朝ドラはいろんな世代の方が観ている作品なので、きちんと聞き取りやすいようにというのは意識しています。今回は役や設定があってのナレーションではないので、より客観的に物事を伝えるということを意識しながら、近すぎず、離れすぎない距離感でいられたらいいなと思っていました。

――宮﨑さんは様々な映像作品で語りをされていますが、朝ドラ以外との作品との違いはどこにありますか?

宮﨑:例えば、『カラフルな魔女〜角野栄子の物語が生まれる暮らし』(NHK Eテレ)のナレーションでは、自分の等身大で角野さんを大好きな気持ちを乗せてお話をしています。ほかにも、出演されている方がいろいろなものを抱えているドキュメンタリーのナレーションではもう少し俯瞰で見た読み方になったり、映っている人によって自分の感情や声のトーンが変わっていく感じがします。

――『らんまん』で感情が乗ったシーンというのはありましたか?

宮﨑:誰かが亡くなってしまう場面では、どうしても感情が乗ってしまうので、台本を読んだ時に一度泣いて、ナレーションの時には俯瞰で見られるようにしていました。園ちゃんが亡くなるところは特に……。子供が亡くなるのは、耐えられないことなので。感情を乗せすぎず……でも、どうしても乗ってしまうし、乗ってもいいものだとも思うので、素直に読んでいました。もちろん監督からの指示はいただけるので、その都度修正していく感じです。

(左から)槙野万太郎役・神木隆之介、槙野寿恵子役・浜辺美波

――語りという立場から朝ドラを見たことでの気づきはありましたか?

宮﨑:語りという立場の方が朝ドラをより俯瞰で見られていますし、自分が作品に出演しているときよりもより隅々まで楽しめています。作品に参加していると、自分の役があってほかの方々を見ているので、俯瞰で見られることによって、『らんまん』は好きなキャラクターが多いなと感じています。

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