松山ケンイチ「怪しい人選手権」で三連覇 『クジャクのダンス』赤沢刑事に待ち受ける宿命

『クジャク』“赤沢刑事”藤本隆宏を待つ宿命

「今週の『クジャク』観た?」
「まだだからネタバレはしないで!」

 これは、ある日カフェにいた時にお隣から聞こえてきた会話である。そこにいたのは50代くらいのふたりの女性。その後、彼女たちは最新回以前の謎やわかったことを整理しつつ、誰が怪しいのかを考察し、楽しそうに議論していた。そんな、今クールで最も“誰かと話したくなるドラマ”ともいえる『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が、いよいよ3月28日に最終回を迎える。

 最終回で大きな鍵を握るのは、赤沢守(藤本隆宏)、京子(西田尚美)夫妻だろう。ここでは、警察内部の人間でありながら第1話からずっと怪しい行動をしていた夫の赤沢刑事に注目していきたい。

 赤沢刑事を演じる藤本隆宏は、実は、競泳選手として200m・400m個人メドレーで日本記録を樹立しオリンピックに2大会連続で出場している元アスリート。1992年のバルセロナオリンピックでは、400m個人メドレーで日本人初のファイナリストにもなっている(※1)。

 そんな長年鍛え上げられた筋骨隆々な身体で、睨みを効かせられると思わず怯んでしまいそうな強面の赤沢刑事は、その風貌通り、少々手荒な真似をしてでも被疑者の口を割らせてきたタイプで、心麦(広瀬すず)の父・春生(リリー・フランキー)の捜査一課時代の部下。尊敬する春生を殺した犯人を絶対に逃さないと、最前線で捜査を担当している。さらに22年前には春生とともに、東賀山事件も担当していた。心麦とは家族ぐるみで交流しており、春生が亡くなってからは夫妻で心麦を支えようとしていた。

 だが、春生の事件では、容疑者となった遠藤友哉(成田凌)を何がなんでも犯人にしようとする行動が目立った赤沢刑事。また、尊敬しているはずの春生が書いた手紙には、「遠藤友哉は冤罪」という旨が書かれていたからなのか、「きな臭い」と言い、その真偽を確かめるように部下に指示していた。しかも春生の事件と深く関係しそうな東賀山事件については、なんだか口が重いところも怪しさに拍車をかけていた。赤沢刑事は、とにかくずっと“何かを隠している”様子だったのだ。

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