『VIVANT』第1話は期待を超える怒涛の108分間 飯田和孝Pに“スケール感”の意図を聞く

『VIVANT』飯田Pに意図を聞く

 堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場『VIVANT』が、7月16日21時より初回108分SPでスタートする。

 阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司らメインキャストをはじめ、総勢42名の出演者は発表されているものの、あらすじや登場人物のキャラクターといった詳細は謎のまま。異例のシークレットプロモーションが進む中、初回放送を前に試写会&飯田和孝プロデューサーの取材会が行われた。

 クランクインは2月上旬。長期のモンゴルロケを経て、このあとも撮影が続くという。飯田氏は「この作品にはモンゴル語、英語、日本語、さらにはいろんな動物たちも出てくる」とし、「生きていく上では欠かせない、“人の協力を得る、人に支えられる”ということが、第1話には詰まっている」と感謝の念を口にした。

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 すでに予告映像でも明らかになっている砂漠でのシーンをはじめ、第1話から度肝を抜かれる規模感で物語が進んでいく。原作・演出を手がけるのは、『砂の器』、『半沢直樹』シリーズ、『下町ロケット』、『陸王』、『ドラゴン桜(2021年)』などで演出を担ってきた福澤克雄監督。飯田氏は、そんな福澤氏の中に「日本のドラマを海外の人にも楽しんでもらいたい」という思いがあると明かす。

 「アジア圏からも評価される作品が出ている中で、日本の伝統的な連続ドラマに力があることを知ってもらいたい。そういった思いの中で、日本や世界の様々な場所の映像を駆使しながら、世界水準を目指した」と、かつてないスケールでのドラマ制作について言及する。

 一方で、「ただ大きなことをしたいということではなく、この題材を表現するためにはこのスケール感が必要だった」とも話した。

 モンゴルロケでは200~300人の現地スタッフの協力を得るという、およそ連続ドラマとは思えない体制で撮影を実施。ふだんはエンターテインメントの仕事をしていない人が通訳として参加することもあったといい、「モンゴル国民が300万~350万人しかいない中で、『日本のこのプロジェクトを成功させたい』『やったことのないことをやってみよう』という思いを乗せてくれたことが印象的だった」と振り返る。

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 課題となったのは「インフラが整っていない中で、どうすればパフォーマンスを発揮し、きちんとした映像を視聴者に届けることができるか」。だが飯田氏は、「モンゴルで2カ月間の撮影をするなんて初めてのスタッフたちが、工夫をして、頭を使って、力を使って乗り切った。良い作品を作ることに特化できた2カ月間が、ちゃんと映像に表れてくるのでは」と自信を見せる。

 日本のドラマが世界で観られるようになってほしい――。その希望を実現するためにも、1人でも多くのスタッフがこの経験をすることに意味があると語り、「このドラマだけではなくて、それを派生させていく。このスケールの経験を、みんなで共有できているのは大きい」と今後のドラマ界の発展に期待を寄せた。

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