『もしイケ』第5話は恋愛がテーマに 細田佳央太が説く、“孤独”を恐れない愛の形

『もしイケ』細田佳央太が説く愛の形

 周囲から嫌われたくないし、できることなら多くの人から愛されたい。多くの人は、そんな思いを抱えながら生きているはずだ。とくに、学生時代はそれが顕著だったような気がする。人に嫌われないように、意見を合わせて……。大人になると、全員に好かれるのはむずかしいと気づき、どこかで折り合いをつけながら生きていくものだが、『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系/以下『もしイケ』)に登場する高校生たちは、思春期真っ只中。それぞれが、大人と子どもの狭間で葛藤していた。

 第5話でスポットが当たった“イケメン”は、一ノ瀬塁(内藤秀一郎)。博愛主義者で、特定の恋人を作らない。同級生の新島梓紗(小西桜子)に、「妊娠したみたい」と言われても、「梓紗のことは好きだよ。でも、みんなのことも好きなんだよ」と返すかなりヤバい奴だ。

 けれど、人にはさまざまな側面がある。美南学園にいる時の一ノ瀬は、自信満々の高校生に見えていた。高身長でイケメンで、誰にでも優しくて。少しおバカかもしれないが、モテに必須な要素はすべて揃っている。女子から「キャー!」と黄色い歓声を浴びる数も、イケセン(=選抜イケメン候補者)のなかで群を抜いていた。

 だが、家にいる時の彼は、まったくの別人だ。優秀な兄がいるため、両親は一ノ瀬のことなど見向きもしない。それなのに、必死で笑顔を取り繕う姿には、胸が苦しくなった。

 一ノ瀬は、“孤独”でいることの恐怖を、誰よりも知ってしまっていたのだ。もちろん、だから、梓紗をぞんざいに扱ってもいいというわけではない。ただ、誰にでも愛想を振りまく理由は、このバックボーンにあったのだろう。

 そんな一ノ瀬の心に問いかけたのは、池田龍馬(細田佳央太)だった。

「(人を好きになるということは)相手のことを大事にしたいとか、愛おしいって思うことじゃないの? その人が悲しむことはしないってことじゃないのかな?」

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