『となりのチカラ』松本潤が日本社会の影に切り込む 難役を見事に演じたソニンも

『となりのチカラ』難役をこなしたソニン

 松本潤が主演を務める『となりのチカラ』(テレビ朝日系)が2月10日に第3話を迎えた。

 2週間ぶりの放送となった今回、スポットライトが当てられるのは303号室のマリア(ソニン)。ずっとその室内でなにをしていたのか、カーテンに阻まれチカラ(松本潤)にはうかがい知ることができなかった。だが、突然に中越家へと「アブない男におそわれたので、かくまってほしい」と助けを求めてくることで、マリアがベトナム式のエステ店を営んでいたことが分かる。マリアのセクシーな見た目とサイトのいかがわしさから、来店する男性はいやらしいサービスを求めて来店していたというのだ。

 そんなグレーな経営下でもマリアが店を続けていたのは、お腹に赤ちゃんを授かっているから。外国人技能実習生として介護関係の会社に勤めていたものの、妊娠を理由に解雇されてしまったのだ。その相手は、会社の課長・芝田(渡辺大)。「それ本当に僕の子なの?」と責任を取る気もなく、マリアはアパートまで立ち退きを迫られ、妊娠中絶とベトナムへの帰国を余儀なくされてしまう。

 日本で働きながら介護福祉士の試験を受けて、ビザが取れたら家族を日本に呼んで一緒に暮らせると思っていたーーしかし、現実は独りぼっち。借金があるマリアはベトナムに帰ることもできず、子供を堕ろし介護の仕事をできる会社を探そうとする。そんな絶望の淵に立たされたマリアに、“日本代表の男”として寄り添おうとするのがチカラだ。

 「優しくて差別もない」と聞いていた日本は冷たい国だった。日本の男はズルくて、何を考えてるか全然分からない。そんなマリアの歪んでしまった日本のイメージに、チカラは何も返すことができない。灯(上戸彩)の言う通りに、マリアが経験したことが今の日本の現実でもある。男女平等指数も女性の働きやすさも世界最低ランク。もちろん、マリアの生活を面倒見てあげるなんてことはできない。それでも何か、とマリアの支えになろうとしてあげようとするチカラは、人口妊娠中絶の同意書に父親としてサインをしてあげることに。

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