『岸辺露伴は動かない』が止まらない! 「くしゃがら」で高橋一生と森山未來が完璧な“ジョジョ化”

『岸辺露伴は動かない』が止まらない! 「くしゃがら」で高橋一生と森山未來が完璧な“ジョジョ化”

 岸辺露伴は止まらない。そう書き始めたくなるほどに、12月28日の放送からネットが『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の話題で持ちきりだ。

 というのも、第1話「富豪村」のオンエアを受け、Twitterは絶賛の嵐になっている。その中でも特に目の肥えたジョジョファンが、製作陣の恐ろしいまでの原作リスペクトに気づき始めたのだ。それが第1話冒頭で、露伴(高橋一生)が自宅に侵入してきた泥棒にヘブンズ・ドアーを使い、本にして記憶を読んでいる中に「トニオ」「間田」の文字が記載されていたからだ。

 トニオ・トラサルディー、間田敏和は、『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場するキャラクターたちで、漫画『岸辺露伴は動かない』のエピソードにもそれぞれ姿を見せる。今回の実写化では登場はしないが、物語の外ではちゃんと彼らが生きている、ここは杜王町であることを証明して見せていることになるのだ。

 そんな製作陣の好奇心によって、第2話「くしゃがら」は絶対的な信頼の上で、それでも何かやってくれるんじゃあないのかという期待値も高くあったのは事実だ。「くしゃがら」は、短編小説集『岸辺露伴は叫ばない』に収録された、北國ばらっどの作品を基にしており、唯一の小説からの実写化となる。さらに言えば、「富豪村」はOVAでアニメ化がされていたが、「くしゃがら」は全く映像化されていない、言わば誰も“観た”ことのない作品。これは結果論になるが、故に遊べる振り幅も大きかったように思える。

 第2話の醍醐味は、露伴と、同じ“集明社”で連載を抱える漫画家・志士十五(森山未來)、2人の丁丁発止のやり取りだろう。まるで会話になっていない、十五の独り言に始まり、やがて編集者に渡された「禁止用語リスト」から「くしゃがら」の単語を見つけ物語がスタートしていく。演じる高橋一生と森山未來は、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』以来、16年ぶりの共演。そうは思わせない、息ピッタリの会話劇にただただ圧倒される。原作にもある「かなりビビったよ。チビりそうだ、最高」(露伴)、「よし、ボツだな。わかりやすくって助かる」(十五)と、露伴は笑わず、十五が笑うという場面の再現には、思わずクスリとさせられた。

 驚くのは、怪演と言うべき森山未來の演技力の高さだ。過去に荒木飛呂彦の短編漫画『死刑執行中脱獄進行中』を原作にした舞台で主演を務めたこともある森山は、俳優としてだけではなくダンサーとしても名高い。十五は、人の好奇心を刺激し病原菌や寄生虫のように繁殖していく、くしゃがらに取り憑かれることになるが、そのフラフラとしたチンピラのような変貌ぶりは、類稀なる身体性から表現されていると言ってもいい(偶然フレームインしてきた蝶々を追いかけるアドリブも見事)。

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