『ホットスポット』角田晃広が“特別”にカッコよかった! 誰も不幸にしない最高の最終回

『ホットスポット』(日本テレビ系)の最終回前の第9話で、話題になっていた2つのポイント。一つ目が清美(市川実日子)たちの同級生として突如現れた武田直美(山田真歩)。そして、2つ目が「F」のキーホルダーを下げた謎の男の正体だ。
宇宙人、未来人、超能力者ときて、直美はきっと透明人間か何かだと思わせておきながら、本当にただ紹介してなかっただけの同級生というオチが何とも心憎い。代わり(?)に、第4話で噂になっていた角部屋の幽霊(うらじぬの)が寝ようとする高橋(角田晃広)を脅かしにくるも、棚が違うと逆に怒鳴られ呆気なく成仏。そして、最終回における最大のサプライズであるFの男=古田(山本耕史)がこのタイミングで初登場するのだ。

古田は未来からやって来たタイムリーパー。荒廃しディストピアとなった未来の富士浅田を変えるため、清美たちにホテルの売却を阻止するように依頼をしてくるという超SF展開なのだが、全てが解決した後というオチ。古田としても未来が変わっているのであれば何も文句はない、むしろ感謝すべきという誰も不幸にしないのが、なんともバカリズム脚本らしい。
新市長・梅本(菊地凛子)とオーナー(筒井真理子)の不正を暴いて売却を阻止する計画は、高橋だけでなく、清美たち、ひいては街全体の問題に発展。市長が梅本に変わってから、環境破壊が進み、富士山の世界遺産登録が抹消されると聞いたら、市民であれば黙っていられない。

賄賂の受け渡し現場は、ガソリンスタンドのセルフ富士浅田。そこで証拠を写真に収めるため待ち構えていた清美たちは、瑞稀(志田未来)の超能力で車内で取引中のオーナーの車のバッテリーを落とし、さらに高橋が白のテープで車をぐるぐる巻きにして物理的にもロック。赤のダウンを着ていることもあり、その姿はまさにスパイダーマンだ!

最終回直前に公開されたキャスト、スタッフ陣によるスペシャル座談会にて、バカリズムが角田晃広について、「ちょっとだけカッコつけてる」と打ち明けていたが、このスパイダーマンはめちゃくちゃカッコつけてる。だが、カッコいい。そう断言できるほどに、いつの間にか高橋がすっかり愛らしく、カッコよく思えてしまうのが、『ホットスポット』という作品自体の魅力でもあったように思う。それは30年後のレイクホテルで、「特別ね」と高橋が宇宙人だということを幼なじみに言う許可をもらっていた従業員(三浦透子)のように。