『MOTHER マザー』『恋する母たち』と激動の1年 奥平大兼が明かす、役者を始めて生まれた“欲”
迷える母たちの恋愛と友情を描く金曜ドラマ『恋する母たち』が、毎週金曜22時よりTBS系で放送中だ。
木村佳乃、吉田羊、仲里依紗演じる3人の母が、心を揺さぶる男性との出会いで深海へはまり込んでしまう本作。そんな3人の母のうちの1人、吉田演じるバリバリのキャリアウーマン・林優子の息子で、長らく引きこもり生活を送る大介役を、映画『MOTHER マザー』で初演技にしてメインキャストに大抜擢された奥平大兼が演じている。
今回、リアルサウンド映画部では奥平にインタビュー。ドラマは初出演と語る新鋭が、この1年の変化や、役者として活動を始めた現在の心境を明かしてくれた。
「すごい大人の世界に入ったんだなと」
――奥平さんは、映画『MOTHER マザー』では、長澤まさみさんと親子関係を演じられました。今作『恋する母たち』も、母との関係が1つフォーカスポイントになっています。
奥平大兼(以下、奥平):『MOTHER マザー』のときは、親に反抗できないというか、親の言うことが絶対と信じて疑わない役でした。今回は大介が反抗期で、大袈裟かもしれないですけど、親が大介の言うことを聞くというか、大介に振り回されるところがありますよね。前回は自分が体験したことがない役だったので、手探りでやっていたんですけど、今回は自分が反抗期のときを思い出しながら、明確ではないですけど、分かりやすかった印象はあります。
――自分に近づけて演じやすかったと。
奥平:そうですね。大介という役もできるだけ自分のほうに寄せたつもりです。
――今回、地上波ドラマ初出演となりますが、映画の現場との違いは感じますか?
奥平:『MOTHER マザー』は余裕がある現場だったので、時間をかけて、監督に言われたことを吸収して、演技に反映することができたんです。今回はドラマということで、とにかく撮影のスピードが早くて、監督の指示を自分で考えて演技にするまでの時間が、映画のときより短いですね。
――お芝居の反射神経が鍛えられているような?
奥平:そうですね。当たり前ですけど、監督さんによって、どういうことをしたいのかは全然違いますし、そのことが今回身に染みてわかりました。監督の求めているものを一瞬で吸収してすぐに出すというスピードを自分の中で早めたいというか、今回の現場で慣れていきたいなと。
――第6話まで放送されましたが、慣れは感じますか?
奥平:現場や撮り方に多少の慣れは感じますが、僕自身、これまで映画を1本しかやったことがないので、全体的に、この世界にまだ慣れていないんです。なので、自信を持って「僕は俳優です」とはまだ言えないです(笑)。
――なるほど。でも、奥平さんの周囲はこの1年で劇的に変化したのではないでしょうか?
奥平:すごく変わっちゃいましたね(笑)。今までは学校で普通に勉強している毎日だったのに、撮影でいろいろな俳優の方と会ったりすると、すごい大人の世界に入ったんだなと感じます。映画をきっかけに、考え方も少し変わったりしました。
――学びも多そうです。
奥平:そうですね。役者に限らず、全てにおいて“勉強したい”という欲が強まっています。これまでは、好きなものや趣味に対して「勉強しよう」とか、「それについての本を読もう」「自分で行動してみよう」とは思わなかったんですけど、こういう世界に入ってからは、自分でやりたいことをやってみたいなと、家で暇なときは何か学ぶ時間を作ることは増えました。